保守論客の独り言

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「ワクチンパスポート」について(1) ~前のめりの産經新聞~

新型コロナウイルスワクチンの接種履歴を示す証明書「ワクチンパスポート」の申請受け付けが26日から始まる。

 個別申請に基づいて発行し、一部の国・地域に渡航した際にこれを提示すれば入国後の隔離期間が免除・緩和される》(7月26日付産經新聞主張)

 「ワクチンパスポート」には賛否両論ある。外国への渡航の際、これを提示すれば便益が得られるという話なら特に問題はない。が、これを日常生活にまで「活用」(?)しようとすることには疑問符が付く。

 産經主張子は前のめりである。

《政府は、イタリアやオーストリアなどでの使用を皮切りに、使用できる国・地域を広げる考えだ。渡航の安全を担保する上で証明書が有効に活用されるよう期待したい。

 ただし、政府は国内での運用には慎重だ。なぜ使途を渡航目的に限定するのか。社会・経済活動を安全に再開させるためにも多様な利用法を考えるべきである》(同)

 私が疑問に思うのは、現時点ではワクチンの有効性が良く分からないという点である。ワクチン接種すれば感染しないと言うのならいざ知らず、そうとは言えないのである。

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厚生労働省HP:新型コロナワクチンQ&A)

臨床試験においてワクチンを2回接種した場合の有効率は約95%と報告されており、100%の発症予防効果が得られるわけではありません》(同)

 が、この話も当初のものであって、新型コロナウイルスの変異株に有効であるかどうかは大いに疑わしいと言わざるを得ない。

《米疾病対策センターCDC)が「戦況が変わった」と警戒を強めるのが、「ブレークスルー(突破型)感染」。ワクチンを2回接種しても感染してしまうことだ。

 CDCによると、7月にマサチューセッツ州で起きたクラスターの感染者469人の約74%は接種を完了していた。ウイルスを特定できた133人のうち、9割がデルタ株だった。接種完了しても、デルタ株には感染してしまうのだ。

 さらに、接種者でも未接種者と同じくらい他人に感染させる可能性がある。デルタ流行前の調査では、接種後の陽性者は未接種者に比べて、ウイルスの排出量は4割少なかったが、マサチューセッツクラスターでは、同量だった。接種者も強力なスプレッダーになり得るのだ》(日刊ゲンダイDIGITAL 8/2() 15:00配信)

 但し、<ワクチン接種はデルタ株でも重症化予防の効果は大き(い)>(同)と言われているので、「重症化しなければ感染者が増えても問題ない」という考え方が前提ということになるが、果たしてこの考え方は国民に受け入れられるのであろうか。【続】