保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

「ワクチンパスポート」について(3) ~<ワクチンパスポート>よりも先にすべきこと~

「ワクチンパスポート」については、イケイケの産經よりも石橋を叩いて渡ろうとする毎日の意見に私は共感する。

《既に一部の自治体や企業は、接種後に発行される証明書を提示した人に対し、地域の買い物に使える割引券を配布するといった特典を設けている。

 こうした取り組みを行う場合、利用者の納得を得られる内容か、公平性や公正さを著しく欠いていないか、丁寧に検討する必要がある。例えば、接種を採用の条件にするような行為は避けなければならない》(7月23日付毎日新聞社説)

 が、おそらくこれは難しい問題である。例えば、接客業のアルバイトの採用に<ワクチンパスポート>が必要ということになるだろうことは想像に難くない。

 否、それよりも<ワクチンパスポート>を提示した人に特典を与えること自体に問題はないのだろうか。これではワクチン接種に人を誘導しようとしていると言われても仕方がない。ワクチン接種は安全性という面でも問題がある。例えば、先日死去した野球の木下選手の件も有耶無耶のままである。

《7月6日の練習中に倒れて救急搬送されていた中日の木下雄介(きのした・ゆうすけ)投手(27)が死去していたことが5日、分かった。関係者によると、3日に亡くなったという…チームは親会社・中日新聞社の職場接種を利用して新型コロナウイルスのワクチン接種を行っており、木下雄投手ら2軍選手は6月28日に1度目の接種を行っているが、今回との因果関係は不明だ》(スポニチ8/6() 3:00配信)

 接種の8日後に倒れたことから、直接の因果関係はないとされているようであるが、やはり原因は追究すべきではないか。

《ワクチンには、発症や重症化を抑止する効果が認められる。一方で、感染防止策としては万全といえない。こうした点を国民に正しく理解してもらう取り組みを強化する必要がある》(同、毎日社説)

 接種率が下がるのを恐れてか、ワクチンを接種しても感染しないわけではないという情報は伏せられているように思われる。これでは公正ではない。

《接種証明を経済回復の手立てと位置づけるのであれば、不適切な利用や差別を生まないためのルール作りが急務となる。政府は、専門家の意見を十分に踏まえて対応すべきだ》(同)

 <ワクチンパスポート>よりも、感染者数ではなく重症者数と病院の逼迫度を見る形に変えるべきであると思うし、病院の受け入れ枠を緩和する意味で、新型コロナを最重度の伝染病1類相当からインフルエンザと同等の5類相当に引き下げるということの方が優先されるべきである。【了】