保守論客の独り言

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異論を「ブロック」する河野大臣について

河野太郎氏は現在、行政改革担当、国家公務員制度担当、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当、内閣府特命担当(沖縄及び北方対策、規制改革)大臣である。

 が、思想的には、夫婦別姓賛成女系天皇賛成、移民政策賛成、原発反対、靖国神社参拝反対という典型的な「左寄り政治家」である。

 その河野氏が、BuzzFeed Newsのインタビューに応えている。

ーー情報発信をする上で、河野大臣はTwitterを活用するとともに、「ブロック」機能をよく使うことで知られています。なぜブロックするのでしょうか?

例えば道を歩いていて、見ず知らず人にいきなり「バカヤロウ」と普通は言わないでしょう。

もしもそんな人がいたら、避けますよね。

しかしネット上では、そういうことを平気でやる人がいます。SNSの陰の部分なのだと思いますが、そうした誹謗中傷がきっかけで亡くなった方もいます。

そういうことを許してしまうから、あのような事件につながるんだと思うんです。

だから、見ず知らずの人を誹謗中傷するような人は、弾かれて問題ないと思いますね。(202166日付BuzzFeed News

 河野氏は「大臣」である。したがって、自分にとって見ず知らずの人であっても、相手が河野氏のことを知っていても当然だし、河野氏の行動や言動について一言言いたいことがあってもおかしくはない。それが「バカヤロウ」発言であったとしても、自分のどこが「バカヤロウ」なのかを伺い、誤解があれば解かなければならないし、もし自分の方に非があれば、謝罪し改めなければならない。

 にもかかわらず、自分を「バカヤロウ」呼ばわりする人間は遮断するというのでは余りにも狭量であり、「小臣」と呼ぶ方が相応(ふさわ)しくはないか。

 <見ず知らずの人を誹謗中傷するような人は、弾かれて問題ない>という言い方も乱暴粗雑に過ぎる。<誹謗中傷>が良くないのは当然だが、果たして「バカヤロウ」は<誹謗中傷>なのか。例えば、河野氏は「女系天皇」容認派である。が、天皇は男系継承であるから天皇なのであって、「女系天皇」を認めるなどということは「バカヤロウ」でしかない。

 政治家は一般人と違い公に晒(さら)された「公人」である。政治家の発言は様々な報道機関を通じて不特定多数の人々に伝わる。見ず知らずの人たちから叱咤激励されるのは当然のことである。

 河野氏は言う。

「少なくとも個人が暇つぶしでやっているものについて、とやかく言われることはないと思います」

「暇つぶしで不愉快な思いをする必要はないと思っています」(「ミュートできない? 河野太郎氏がブロックする理由を考えてみた」毎日新聞 2021/2/12 06:30

 が、政治家たるもの批判を仰ぐのも「仕事」ではないか。まして「大臣」ともなれば、一方的に自己主張するのではなく、異論反論をも包摂した施策の遂行が求められる。

 私は、政治家に求められる資質の1つは「説得力」だと思う。民主政には、出来るだけ多くの人の賛同が得られるよう説得し続けることが必要不可欠である。それが出来ないのなら「大臣」になど就くべきではない。

《発信力を買われてワクチン接種の担当に起用された河野太郎行政改革担当相。ツイッターのフォロワー数は224万を誇る。しかし、ネット上では「ブロック太郎」と異名を取り、皮肉を込めて「河野さんにブロックされて一人前」との評さえある》(毎日新聞 2021/2/1 06:30