保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

小学校でのあだ名禁止について(1) ~尾木ママ大丈夫?~

《子供が親しみを込めて友人を呼ぶ際に使う「あだ名」が近年、学校現場から消えつつある…小学校では名字に「さん」をつけて呼ぶのが望ましいとする指導が定着》(「学校現場で消えゆく「あだ名」 呼ぶ賛否」:産経ニュース 2021. 2. 20 11:20

しているという。背景には、

《平成25年に施行された「いじめ防止対策推進法」がこうした流れを加速させたとの見方もあるが、いじめは減っていないのが現状だ》(同)

 全てと言わずとも大抵<あだ名>が<いじめ>を引き起こすというのであれば、<あだ名>を禁止することが有効と成り得るかもしれないが、<あだ名>と<いじめ>にそのような因果関係があるとも思えない。にもかかわらず、<あだ名>を禁止するのは「羹(あつもの)に懲(こ)りてなますを吹く」が如くの過剰反応ではなかろうか。

 が、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏は、

《いじめが原因かと思われる自殺が全然なくならない現状では

嫌なあだ名が引き金になっているケースのなんて多いことでしょうか?》(2月24日付尾木ママオフィシャルブログ)

と言う。が、(日本語が変だがそれは措くとして)<嫌なあだ名が(自殺の)引き金になっている>と言える事例はどれくらいあるのだろうか。

《本当にいわゆる有名人の方々の

あだ名の禁止さん付け強要反対論の多いことに驚きですーー》(2月25日付尾木ママオフィシャルブログ)

と尾木氏は言う。

《現在の一般的な公立学校でのいじめやトラブルの実態についてはよくわからなくて、いわゆる「理想」を語ってくださっているような気がしますーー》(同)

 確か尾木氏は国語教師だったはずだが、この「理想」という言葉も要を得ない。<あだ名の禁止さん付け強要反対論>は「理想」ではない。ただ的外れの自由の抑圧に反発しているだけである。

《もちろん理想を求めるのが教育です

新しい歴史を築く力つけるのが教育の役割です

だから大いに理想を語るべき責任が私たち大人には期待されていると思います

しかし

現状を丁寧に把握して

歴史的経緯踏まないと空論に終わるだけではないでしょうか。

あだ名でいじめられて自殺した多くの被害者の子どもたちのこと考えると胸が苦しくなりますーー》(同)

 <理想を求めるのが教育>、<新しい歴史を築く力つけるのが教育の役割>、<理想を語るべき責任が私たち大人には期待されている>というのも変な決め付けである。これはおそらく「理想」や「歴史」や「責任」という言葉に対する無理解から来ているのだろう。

<あだ名でいじめられて自殺した多くの被害者の子どもたち>という話も根拠がなければただの「空想」である。いじめられて自殺した子供があだ名で呼ばれていたとしても、自殺の原因はいじめであってあだ名ではない。これくらいの整理が付かないようでは「教育評論家」を名乗る資格はない。【続】