小泉進次郎環境大臣は、中國新聞のインタビューに応え、次のように述べた。
《国内外のスポーツ用品メーカーは既に海洋プラごみから服や靴を作っている。瀬戸内海のごみで国産スニーカーを製造したらどうか。廃棄物を新たな資源として回す「サーキュラーエコノミー(循環経済)」を推進したい》(中國新聞デジタル 2021/3/13 23:16)
中学生の研究発表でもあるまいに、大の大人が、それもかつては「末は博士か大臣か」と呼ばれた大臣が、何ら恥じることなくどうしてこんな素っ頓狂なことを口に出来るのか摩訶不思議である。
相手が喜ぶことを言っておけば良いと思っているとすれば勘違いも甚だしい。こんなゴミのような発言をする人間が政権にいること自体、日本にとって有害でしかない。
菅義偉首相は、「客寄せパンダ」として小泉氏を環境大臣に据えているのだろうが、有権者も舐められたものだ。否、虚仮(こけ)にされているにもかかわらず、反発しない有権者も有権者だ。
が、一般の有権者は小泉環境相がどのような発言を行っているのかをおそらくよく知らないのであろう。「女性の話は長い」ということは問題になっても、「瀬戸内海のごみで国産スニーカーを製造したらどうか」というようなどうでもいい話は話題にすらならない。
24日の参院予算委員会で、同性愛者を公表している立憲民主党の石川大我議員がLGBTや同性婚について小泉環境相の見解を求める場面があった。
石川議員:「大臣は育児休暇を取るなどとても先進的だ。お子さんの性的指向はまだ分からないかもしれないが、同性だった場合はどう思われるか」
小泉環境相:「仮にLGBTであったら、打ち明けやすい親でありたい。そういう社会を実現するために政治家として全力を尽くしたい」
石川議員:「そういう意味でも同性婚は必要ではないか」
石川議員:「ぜひ一緒に同性婚を作りたい」
サークル募集活動ならどこか他の場所でやってもらえないだろうか。こんな話を国会でされても迷惑である。同性婚がどうして必要なのか、問題点は何か、といったことを論議するのならいざ知らず、国会で貴重な時間を使って仲間探しをされても困るのである。
が、違和感があるのは、大臣がこのような私的な考えを表明しても良いのかということである。大臣は内閣の一員である。内閣には内閣の方針がある。その方針に従って発言し行動するのが大臣というものではないのだろうか。
たとえ菅内閣が同性婚に賛成であったのだとしても、時宜(じぎ)を弁(わきま)えず一大臣が国会で政治的に微妙な問題について私的な意見を述べるのはよろしくないのではないか。【了】