保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

小泉環境相は「アホの子」なのか(2)  ~弁舌滑らかにして意味不明~

昨年7月29日放送のBSフジ「プライムニュース」内で、小泉進次郎環境大臣に次のような質問があった。

《「レジ袋の有料化で買い物が不便極まりなくなりました。そもそも食料品をマイバックに入れるのは不潔です。レジ袋はゴミ捨てに欠かせず便利で有用です。ゴミを入れたまま燃やすことにも問題ないと思います》(60代視聴者女性)

 これに対し小泉環境相は、

《不便極まりないのは申し訳ないなと。レジ袋を全部無くしたところで、プラスチックごみの問題は解決しません。それが目的ではありません。この有料化を切っ掛けに、なぜプラスチック素材が世界中の問題となって取り組まれているのか、そこに問題意識を持って一人ひとりが始められる行動に繋げてもらいたい。是非ご理解頂けるように引き続き努力をしたい》

と答えている。質問者の理路は整然としているのに対し、小泉環境相の返答は頓珍漢(とんちんかん)である。

 皮肉なことに、レジ袋有料化に伴ってレジ袋の売り上げが伸びている。

《レジ袋が有料化になり、製造元では需要が減ったかと思いきや、取っ手つきのポリ袋などは──

『日本サニパック』井上充治社長「前年比で約2~3倍ということで、非常に需要が増えていると感じております」

ポリ袋は、生活必需品としてゴミ袋の代用や冷蔵庫に食品を入れる際など二次利用されているケースが多く、いまも需要は高いままだといいます。

実際に、東京・新宿区のドラッグストア『ツルハドラッグ新宿上落合店』では──

お客さん「レジ袋が有料化になって、ゴミを出すときに袋がなくなっちゃったので。ほとんどゴミ袋と、子供の洗濯を入れるのに使うくらいで」

有料化が始まって以降、ポリ袋の売り上げが2倍に増えているといいます。

ツルハドラッグ』スーパーバイザー 屋敷健吾さん「(スーパーなどで)都度レジ袋を買うのではなく、まとめて買った方がお買い得という観点から、お買い求めになるお客様が非常に多いと思います」》(「レジ袋有料化で“マイバッグ万引き”? ポリ袋の需要増加も」:日テレニュース24 2/22(月) 21:24配信)

 そもそもどうしてレジ袋を標的にしたのかが分からない。

《気になるのは、海洋プラスチックごみの種類の内訳(環境省「海洋ごみの実態把握調査」容量ベース2016年)だ。多い順に漁網、ロープ(26・2%)、発泡スチロールブイ(14・9%)、飲料用ボトル(12・7%)、ブイ(8・9%)…と続き、「ポリ袋」はずっと下位、なんと0・3%しかない》(西川修一「レジ袋有料化は「エコ」じゃない」PRESIDENT Online 2020/08/12 15:00)

 要は、環境問題に取り組んでいることの自己宣伝であり自己満足なのであろう。

デンマークコペンハーゲン・コンセンサス・センターのビョルン・ロンボルグ前所長も、「すべての国がビニール袋を禁止したとしても、ビニール袋は世界の海に浮いているプラスチックの質量の0・8%未満しか占めていない」とその無意味さを語っている。米カリフォルニア州では、ビニール袋を全面禁止にして年4000万ポンドのプラスチックを排除したはいいが、ごみ袋として再利用していたビニール袋がなくなったせいで別の素材のゴミ袋や紙バッグの消費が激増。より多くの二酸化炭素を出す羽目になったという(THE GLOBE AND MAIL 2019年6月17日)》(同)​【続】​