保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

歴史教科書:「従軍慰安婦」という言葉の再登場について(1)  ~「従軍慰安婦」は戦後の造語~

3月22日の参院文教科学委員会において自民党有村治子議員が「従軍慰安婦」問題について問うた。

慰安婦問題は、歴史的題材を取り扱いながらも、実態は歴史認識をめぐる今日的な政治課題としての情報戦、国際世論戦が続いており、むしろその主張はエスカレートしているという認識を強めております。

 今年1月、資料1にも記しましたが、韓国の元慰安婦らが損害賠償を求めた訴訟において、ソウル地裁は日本政府に対し、1人当たり約1千万の支払をするよう命じる判決を出しました。主権国家は他国の裁判に服しないという国際法に反したこの裁判は、戦後最悪と言われる日韓関係において深刻な火種となっており、異常事態が続いています。

 一方、国内に目を向ければ、中学社会科教科書において、一度は全ての教科書から消えた従軍慰安婦という記述が今回の教科書検定で通り、山川出版社の教科書に記載されました。この検定結果については、国会において既に衆参与野党の議員からも疑義が呈されています」(第204回国会 参議院 文教科学委員会 第4号 令和3年3月22日)

 「従軍慰安婦」という言葉は、日本を貶(おとし)めるために造られた情報戦のための言葉である。この言葉が教科書検定をあっさりすり抜けてしまったのは、文部科学省反日色に染まっている証左である。

「そもそも従軍慰安婦という言葉はいつ頃出始めたのか。(資料提示)1973年に出版されました作家千田夏光氏の著作にタイトルとして従軍慰安婦という言葉が使われるなど、1970年代から出始めた造語でございます。慰安所が実際に使われていた戦中には存在せず、終戦時から4半世紀以上もたってから作られた新語であります。その後、多数の著述家、報道機関、活動家が日本軍の残虐さを強調する際に多用した言葉です。このような言葉で往事を表現することが果たして適切なのかどうかという率直な疑問が湧いてまいります」

 軍に随行する「従軍看護婦」はいた。「従軍記者」もいた。が、「従軍慰安婦」などいなかった。それが事実である。

従軍慰安婦という造語は、この30年間続いてきた慰安婦問題に関する論争の中核を成す肝の用語であるにもかかわらず、政府としてこの語句に向き合う定見がなかった、結果として、明確に否定してこなかったことが教科書に載り、事実に基づかない情報が世界各国にいまだに広がり続けている一因だと私は考えております」(同)

 検定教科書に記載されているということは、<明確に否定してこなかった>というよりも、<従軍慰安婦>という言葉の使用を容認していると言う方が正しいのではないか。【続】