保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

GSOMIAについて(3) ~破棄を凍結という韓国の独り相撲~

てっきりGSOMIAを失効させるのかと思いきや、土壇場で韓国は破棄を「凍結」した。

《韓国政府が22日、日本政府に対して、軍事情報包括保護協定GSOMIA)終了の通告を停止すると伝えた。23日午前0時失効の危機は回避され、1年間の自動延長となった》(1123日付産經新聞主張)

 「安堵(あんど)」したという新聞もあるが、むしろ失効した方が「すっきり」したのではなかったか。

《日韓の軍事情報包括保護協定GSOMIA)の失効という最悪の事態は、土壇場で回避された。両国の貿易に関する協議を行うことでも合意した。

 協定が破棄された場合は日米韓3カ国に不協和音が広がり、地域の不安定化を招くことが懸念されていた。日韓の安保協力の枠組みがひとまず維持されたことに安堵する》(1123日付毎日新聞社説)

《日韓の安全に資する協定が、かろうじて救われた。ひとまず安堵できても、問題の根本は手つかずだ》(1123日付朝日新聞社説)

 そうだ、その通り。<問題の根本は手付かずだ>。たまには良い事を言う、と思う勿(なか)れ。朝日社説子の問題認識はずれている。

《理不尽な事態を繰り返さないための健全な関係回復に本腰を入れるべきだ》(同)

 <理不尽な事態>とは何を意味するのかがよく分からない。韓国が南北統一に向けて反日姿勢を露わにしているのは、韓国にとっては理の有る事であり、日本にとっては理の無い事である。

 いずれにせよ、従軍慰安婦報道で日韓関係を壊してきた朝日が何ら反省の弁もなく<健全な関係回復に本腰を入れるべきだ>などと言うのは笑止千万である。

 そもそも<健全な>日韓関係などいつ存在したというのか。存在しなかったものを<回復>など出来るはずがない。が、少なくとも日韓関係を修復するためには、韓国側が反日政策を止めることが前提となろうが、政権が交代しない限りその可能性は極めて低いと言わざるを得ないだろう。

安倍晋三首相は22日、「北朝鮮への対応のために日韓、日米韓の連携、協力は極めて重要だ。韓国も戦略的観点から判断したのだろう」と述べ、韓国政府の方針変更に一定の評価をした》(同、産經主張)

 が、私はこの発言に危ないものを感じる。反日姿勢まで改めたわけではない韓国とGSOMIAを継続すれば、日本や米国の情報は韓国を経由して北朝鮮に駄々洩れになる可能性がある。諜報機関がしっかりしていれば問題はないが、果たして大丈夫だろうか。

 おそらく韓国を共産主義側に追いやるよりも、たとえ文政権が親北朝鮮であろうと、日米側に繋ぎ止めて置く方のがベターだという米国の判断なのではないか。【続】