《北朝鮮が日本海へ向けて弾道ミサイルを発射した。ミサイルは島根県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した模様だ。韓国は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)との見方を強めている》(10月3日付毎日新聞社説)
が、日本の対応は相変わらず甘い。
《安倍晋三首相は、国連安全保障理事会決議に違反すると強く非難した》(同)
憲法9条に縛られた日本ではこれが精一杯。本土に落下するまで抗議しか出来ないとはまったくもって情けない限りである。
《非核化の歩みに逆行する挑発行為は容認できない》(同)
<非核化>は交渉を有利に進めるためのカードに過ぎない。北朝鮮が本気で<非核化>など考えているはずがないのである。
《トランプ米大統領は、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射を容認する考えを繰り返し表明してきた。その結果、北朝鮮のミサイル開発を助長した側面は否めない》(同)
だから米国頼みの安全保障は危険なのである。であるなら、
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう(日本国憲法前文)
などという夢物語から我々は一刻も早く目覚めなければならない。
《米朝対話は、北東アジアを緊張緩和に導くのが目的である。北朝鮮が新型兵器の開発を続けていては、非核化は一層困難になる。トランプ氏はこれ以上、緊張を高める北朝鮮の振る舞いを放置してはならない》(同)
基本認識が間違っている。どうして「米国第一」のトランプ大統領が<北東アジアを緊張緩和に導く>ことなど考えていようか。米国の脅威とならないなら与(あずか)り知らぬというのがトランプ大統領の本音ではないか。
《韓国との連携も切実だ。韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると通告し、情報共有に不安が出ている。北朝鮮には、両国の関係悪化の隙(すき)を突く狙いもあっただろう》(同)
これも基本認識が間違っている。韓国は北朝鮮を中心とした南北統一を目指しているのであり、<関係悪化>といった話ではない。北朝鮮は米朝交渉を有利に進めるために着々と技術開発を進めている、それだけである。
《日米韓3カ国は、北朝鮮のミサイル開発は認めないという一致したメッセージを出すべきだ。そのために脅威認識の共有を急ぐ時である》(同)
韓国は北朝鮮側に立っているのであるから<北朝鮮のミサイル開発は認めない>などというメッセージを日米韓で出せるわけがない。むしろ北朝鮮のミサイル開発は、将来南北統一がなされたら、自分たちの安全保障に資すると考えてさえいるのではないだろうか。【続】