保守論客の独り言

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日本のEEZ内に落下した北朝鮮ミサイル発射について(2) ~「敗戦革命論」に注意~

《韓国は、対日関係の悪化を踏まえ、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたが、今回、日本に情報提供を要請した。協定は11月に失効する。文在寅政権は安保環境を直視し、破棄を撤回すべきではないか》(103日付読売新聞社説)

 もはや韓国は北朝鮮の側に立っているのであるから、今更GSOMIAなど有り得ない。もしGSOMIA破棄を撤回すると言えば、北朝鮮への情報漏洩をむしろ疑うべきである。

《日米韓は認識をそろえ、短中距離を含むすべての弾道ミサイルの放棄を求めるべきである》(同)

 北朝鮮との統一を目指す韓国が日米と認識を揃えるはずがない。こんなことを言っているのはまさに「平和呆け」そのものである。

 朝日社説も同様なことを言っているようであるが、少し違うような気がする。

《彼らが一歩ずつ大胆にふるまう余地を与えているのは、日本、米国、韓国の間の思惑のズレや摩擦であることを認識すべきだ》(103日付朝日新聞社説)

 朝日社説は、かつてレーニンが主張した「敗戦革命論」的なものを感じる。つまり、資本国を同士討ちにして弱らせようとしているのではないかと疑われる。そのために情報を攪乱している節がある。

 成程、

《5月以降の各種の発射は、これが11回目となる。米韓の軍事演習への反発など、その都度、意図が込められているとみられるが、弾道ミサイルの発射を禁じた国連安保理決議を無視する姿勢は一貫している。厳しく批判されるべきだ》(同)

とは言っている。が、非難の矛先はトランプ米大統領に向けられる。

《結果として北朝鮮を抑制するどころか、助長しているのがトランプ米大統領である。「我々は短距離ミサイルは制限していない」と語るなど、決議違反を公然と黙認する姿勢を示してきた》(同)

 非難されるべきは北朝鮮であってトランプ大統領ではない。さらに言えば、日本は米国に安全保障を依存するのではなく、自分で自分の安全を確保すべきなのである。

 勿論、その障害となるのが憲法9条である。朝日は憲法9条を堅持したいからこそ、このことに触れずに米国に依存するのであろう。が、これも憲法9条が日本の平和を守っているという話ではない。日本の軍事力を抑え込むことが、将来日本を共産主義化するのに役立つから護憲を唱えているに過ぎないのだと思われる。

《日韓両政府間の対立は依然、出口が見えない。韓国側は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA〈ジーソミア〉)の破棄を通告しており、このままでは来月下旬に失効する。

 ところが韓国国防省はきのうの発射後、協定に基づく情報の共有を即座に日本側に求めた。歴史問題を経済や安保の分野にまで広げると、双方の国益を損なうことが改めて浮き彫りになった例といえるだろう》(同)

 北朝鮮に恭順の意を示す韓国には注意が必要である。韓国は自らの防衛のために情報が欲しいのではなく、日本の情報能力を知るために情報が欲しいのではないかと疑われるのである。

 朝日社説子は、<歴史問題を経済や安保の分野にまで広げると、双方の国益を損なう>と言う。が、日本は歴史問題を問題にしてない。むしろ安倍70年談話や日韓慰安婦合意など、韓国側に寄った歴史認識を示している。

《いま問われているのは、北朝鮮の暴走を止め、長期的に核のない朝鮮半島を築くための日米韓の結束である。3国の政府はただちに足並みをそろえる調整のための協議を急ぐべきだ》(同)

 こういう風に混乱させるようなことを言うところが、まさに「敗戦革命論」なのである。【了】