保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

韓国の情報協定破棄について(2) ~「売り言葉に買い言葉」?~

《今回の破棄で利益を得るのは、北朝鮮や中国である。米国を中心とした同盟の機能が低下する、という誤ったメッセージを送ることにより、東アジアの情勢が不安定化しかねない》(8月24日付読売新聞社説)

 <誤ったメッセージ>ではなく韓国は日米韓の協調から離脱するという「確かなメッセージ」である。もはや38度線ではなく、対馬海峡が彼我の境界線であると考えるべきである。

 韓国が中国、北朝鮮側に付いたとしても大した脅威とはならないだろうが、情報がすべて筒抜けになってしまうことは避けられないから、大きな痛手ではある。

《日本は、協定破棄による影響を最小限に抑える必要がある。自衛隊は米軍との協力を強化し、抑止力を保つことが不可欠だ。

政府は、韓国政府との意思疎通を絶やさず、重層的に対話を続けていくべきだ。アジアの安保環境を冷静に分析し、日米韓の協力を維持する重要性を訴えていかなければならない》(同)

 こんな甘い話でいいのだろうか。おそらく大統領が変わらない限り、韓国の親中国、親北朝鮮、反日政策は変わらないだろう。レーダー照射問題のときの対応を見ていればGSOMIA破棄も有り得るということは想定できた。そして今回のGSOMIAの一方的破棄を見れば、韓国がそう遠くない将来、日米と敵対的関係になると考え、これに備えるのが当然である。<重要性>など訴えて分かるような相手ではない。

《日韓は、民主主義という基本的な価値観を共有しているはずなのに、「売り言葉に買い言葉」のような感情的な対応で、これまでの安保協力の積み重ねを崩してしまうのは誤りだ》(8月23日付毎日新聞社説)

 韓国は本当に<民主主義>なのであろうか。もし韓国を民主主義と言うのなら北朝鮮も民主主義だし、中国だって民主主義なのではないか。

 とても日本と韓国が<基本的な価値観を共有している>などとは思えない。同じ価値観であると思って交渉にあたるから間違ってきたのだ。

 毎日社説子は<売り言葉に買い言葉>と言うが、問題を起こし続けてきたのは韓国側であることがどうして分からないのだろうか。レーダー照射問題、徴用工問題における日韓請求権協定の反故(ほご)、日韓慰安婦合意の破棄、そして今回のGSOMIA破棄である。これ以外にも様々な暴言があり、いやがらせもあった。これをどっちもどっちと言うのは、中国の広告料のせいで毎日新聞が中国に忖度しているからではないのか。

《こうした事態を招いた責任の一端は、安倍政権にもある。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が、徴用工問題や慰安婦問題で不誠実な対応を続けていることは事実である。だからといって、外交問題と経済政策を絡めたことは不適切だった。韓国側の強い反発は予想されたはずだ》(同)

 これはおかしい。日本がフッ化水素など3品目の韓国への輸出手続きを厳格化したのは、これらが中国や北朝鮮横流しされていることが疑われたからで、報復措置でも何でもない。むしろこれら「軍事転用が可能な品目」の使用先の報告義務を怠った韓国側に責任がある。

《深刻な関係悪化を改善に導いていく責任は双方にある》(同)

などという話ではないのである。【了】