保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

GSOMIAについて(2) ~日本のマスコミの誤導~

《最大の要因は、旧植民地時代に製鉄所などに動員された元徴用工らへの賠償を日本企業に命じた、韓国最高裁の判決の確定である。

 この問題は、1965年の日韓請求権協定で「解決済み」とされてきた。韓国も日本が支払った無償資金を「強制労働の補償」とみなしてきた。これと異なる司法判断は異例だが、まず韓国政府が責任を持って解決に努力すべき課題だ。

 しかし文政権は積極的な動きを見せず、日本が求める仲裁委員会の開催にも応じなかった。日本がいら立ちを募らせたのは当然といえる。

 ただ、安倍政権が韓国向け輸出規制強化を打ち出したことで、安保上の対立に発展した側面も否めない。軍事転用の恐れがある半導体材料などの規制について、韓国側の貿易管理を問題視したためだ。

 日本は、元徴用工問題の報復との非難を避けるため、あえて「安保上の貿易管理」を掲げたとみられる。それが「安保協力環境に重大な変化をもたらした」とGSOMIA破棄を持ち出される展開になった。

 韓国では日本製品不買運動が広がり、訪日客も激減している。互いの国民感情にも悪化の兆しが見られ、応酬は泥沼化する一方だ》(11月20日神戸新聞社説)

 こんな風に平然と間違ったことを書くから読者が誤解するのである。

 まず、「植民地」と呼んで日本が「搾取」したかのような印象操作をするのはやめるべきだ。日韓併合はあくまでも「併合」である。「内鮮一体」(朝鮮を差別待遇せずに内地(日本本土)と一体化しよう)というスローガンの下に日本は資本を投下した。

 朝鮮のインフラは整備され、教育は普及し、農工業生産も増え、結果として人口は倍増した。欧米帝国主義の植民地政策とは似て非なるものであった。

 <元徴用工>も「強制徴用」されたわけではなく、実際は「募集」に応じて日本に来た人たちである。韓国最高裁の判決は裁判の名を借りた反日工作でしかない。

 <輸出規制強化>というのも誤解を生む。これは戦略物資が北朝鮮などに流されている疑いがあったため、「ホワイト国」という優遇をなくしたに過ぎない。

《韓国政府がGSOMIAの延長を見送り、「破棄」を表明したのは、日本が行った韓国への輸出規制の強化に反発したためだ。

 元徴用工問題の解決を促す目的とはいえ、日本政府が経済を使ったのは適切ではなかった》(11月19日付東京新聞社説)

 韓国政府がGSOMIAの延長を見送ろうとしているのは日本が韓国をホワイト国から外したからという理屈は成り立たなくもない。が、日本が輸出管理制度において韓国をグループAから外したのは、軍事転用可能な物資を韓国が必要以上に輸入し、その行く先に対しての返答を拒み続けたことにある。戦略物資が北朝鮮などへ横流しされ続けるのを黙過するわけにもいかず、韓国経済に必要な分を必要なだけ輸出することにしただけである。

 これに文句があるとすれば、横流しを受けられなくなった北朝鮮のような国である。<元徴用工問題の解決を促す目的>などというのは北朝鮮の尻に敷かれた韓国側の言い分でしかない。

「安保協力環境に重大な変化をもたらした」のは日本ではなく韓国の側である。火器管制レーダー照射問題に始まって、不可逆的とされた日韓慰安婦合意を一方的に破棄し、朴槿恵前大統領が徴用工判決を封じ込めていたのを最高裁判事を入れ替えて賠償判決を引き出し、北朝鮮に阿(おもね)ってGSOMIA破棄を表明する。ただ反日政策を続けているだけではないか。

 日本製品を買いたくなければ買わなければよい。日本に来たくなければ来なくてよい。ただそれだけではないか。【続】