保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

無残な国会代表質問とマスコミの反応(2) ~孤立無援の言論戦~

《日本の進路と安全保障の根幹にかかわる対中問題について、ほとんどの登壇者に危機感が見られなかったのはどうしたことか。

 安倍晋三首相は20日の施政方針演説で、中国とはあらゆる分野で交流を深め、「新時代の成熟した」関係を構築すると語った。

 尖閣諸島を狙い、台湾を軍事的に恫喝(どうかつ)し、国内で過酷な人権弾圧を行う中国と成熟した関係を結べるのか。結んでいいのか。

 国民民主党玉木雄一郎代表は、習近平国家主席の4月訪日のあり方について、「国賓待遇とすることで、日本の主権に対する挑戦を含め、中国の覇権主義国際法や民主主義的価値やルールに反する行動を容認する誤ったメッセージを送ることにならないか」と質(ただ)した。

 玉木氏の指摘は国民の間に広がる疑問に寄り添うもので評価できる。政府は耳を傾けるべきだ。

 だが首相は、国賓訪日を進めるとし、懸案について首脳会談で注文していくとするにとどめた》(1月25日付産經新聞主張)

 産經主張子は安倍政権を信じているのであろう。だからこのような疑問を呈しているのだと思われる。が、保守系と称される人たちから批判されているにもかかわらず、習近平主席を未だに国賓待遇として迎えようとしていることからして、すでに安倍政権は親中派に取り込まれていると考えてよい。

 親北朝鮮の韓国をも再び<基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国>と呼びだしているし、コロナウイルスの対応も後手後手に過ぎる。安倍政権には国益を毀損(きそん)しかねない部分がここのところ目立ってきている。

 玉木氏の指摘がまだ救いであるが、安倍政権の対中韓政策のおかしさを指摘する政治家もいなければマスコミもいないでは話にならない。

《与党自民党二階俊博幹事長、公明党山口那津男代表は、国賓訪日を成功させるよう唱えた。中国の覇権主義的行動や人権弾圧への懸念を一切示さなかったのは極めて残念である。立憲民主党枝野幸男代表や共産党志位和夫委員長から対中関係について質問がなかったのも疑問だ。

 世界を揺るがしている中国の新型肺炎問題への対応が、きちんと取り上げられたのは代表質問の最終日だった。国民の生命、健康を守るという意識や気概、急速に展開する緊急事態への目測力が各党に不足しているのではないか》(同)

 親シナ派の人たちにこのようなことを求めても無意味である。シナに強く物が言える日本の政治家がいないことを前提として、たとえ孤立無援であろうとも、日本の国益を守るための言論を戦わせる覚悟を産經新聞には持って欲しいものである。【了】