保守論客の独り言

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伊勢神宮集団参拝: 違憲批判を物ともせぬ立憲民主党

1月4日、立憲民主党は幹部が揃って伊勢神宮を参拝し、これを公式ツイッターに投稿した。

 

 

本日4日、枝野代表は福山幹事長らと伊勢神宮 f:id:ikeuchild:20190117004303p:plain を参詣し、一年の無事と平安を祈願しました。

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これには批判のコメントが多々寄せられた。

「この写真を見ると、靖国への合同参拝を思い出していい気分ではないです。ショックです。そのうち日の丸を党大会会場や党の記者会見場に掲げるようになるのかな。保守派の取り込みに必死なのは分かりますが、自分は今年の選挙、立憲に投票するかどうか非常に悩ましくなってきました」

「見たところ、議員バッジをつけておられるようですから、議員=公務員として参拝されたのですね。 公金を使う公務員の立場で、参拝という私的な行為を行なったのだから、自民党議員らの靖国参拝と同じく、単純に、政教分離違反=憲法違反ですが」

政教分離の原則に抵触する可能性のある本件をSNSで党として宣伝された、ということの重大性を理解していらっしゃいますか。今日あったことを、その意味するところ、支持者からの反響等を吟味、議論もせず無批判に広報活動しているのであれば、脇が甘いと思います」

自民党公式アカでも、議員達の靖國参拝の発信はしない。個々の発信はあるが「個人として参拝」と自民議員たちは語る。宗教と政治(団体)の分離原則を知っているからです。 なのに立憲民主党議員が集団で伊勢神宮に参詣し、しかもそれを党公式発表するとは。その振る舞いに驚嘆する」

 さて、私は政治家が正月に伊勢神宮に参拝すること自体が問題だとは思っていない。参拝という日本の風習習慣が憲法に反するというなら、憲法の方が間違っているのである。

 問題は、日頃あれほど立憲主義をうるさく言っている党が、憲法第20条の「政教分離」条項に抵触するかのようなことを堂々と行い、さらには、昨年の西日本豪雨の際、自民党議員が飲み会の写真をツイッターに投稿したことを問題視し、追及してきた人達が、立憲主義を蔑(ないがし)ろにするような写真をツイートする「無神経さ」である。

 同党の逢坂誠二衆院議員は、昨年1月22日に「安倍総理伊勢神宮参拝に関わるLINEでの発信に関する質問主意書」を提出している。

1 歴代の総理大臣が年頭にあたり宗教施設である伊勢神宮に参拝することは、社会通念上、国民に受容されていると考えているのか。政府の見解如何。

2 本発言が発信されることで、伊勢神宮への参拝者が増加し、特定の宗教施設の活動を援助、助長、促進するものではないのか。政府の見解如何。

3 本発言をLINEで発信することは、「昭和46(行ツ)69 行政処分取消等」(最高裁判所大法廷判決 昭和52年7月13日)でいうところの、「当該行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為」に該当し、日本国憲法第20条に反するのではないか。政府の見解如何。

4 静粛な環境の下、内閣総理大臣が年頭にあたり伊勢神宮に参拝することは、社会通念上、国民に受容されていると考えられるものの、その行動を事前に、首相官邸のLINEの公式アカウントで告知することは、伊勢神宮の活動に関する助長、促進につながり、不適切ではないか。政府の見解如何。

 一体このちぐはぐさは何なのだろうか。立憲民主党の言う「立憲主義」とは単なる「ご都合主義」なのか。

 同党の阿部知子衆院議員はの自身のツイッターに次のようにツイートしている。

「一昨年の希望の党の排除方針以降、今も続く野党解体の危機の中で、立憲民主党こそ頑張らねばならない時に、枝野代表を始めとする執行部を先頭にした伊勢神宮参拝はとても残念です。多く指摘されるように個人的な参拝や宗教心を否定するものではなく、打ち揃ってとなると祈りとは違う意味が生まれます」(1月5日付)

 非常に真っ当な感覚のように思うけれども、党内で収拾を図るのではなく、このように党の醜態を公に晒(さら)すことに批判もあるようで、他人事ながら野党も大変なことだとご心配申し上げるところである。