保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

ナイナイ岡村の風俗発言について(2) ~思い通りにならない怨恨~

《現在、例えば10代の女性は「家にいてください」と言われても、性虐待や家庭内暴力を受け、家庭に居場所を失い、各支援団体に救いの手を求めている。

リーマンショックでも東日本大震災でも、人々のストレスが高まると、家庭内での虐待や性暴力につながる事例が多数報告されている。

今回も同様だ。

支援団体がかかわらなければ、岡村がいうように、路頭に迷っている女性を商品化し、性産業に利用するスカウトが声をかけていく。

児童福祉関連の制度やシステムを改善、拡充して手厚くする方向性ではなく、性産業に従事するような構造が作り上げられてしまっている》(藤田孝典:YAHOOニュース4/26() 13:50

 私は、この<構造>という言葉に引っ掛かる。家庭に居場所がなくなって性産業へ流れ込む女性の割合は果たしてどれくらいあるのだろうか。また、これは昨日の<性を仕方なく売らなければならない>とは別の話になっている。

《日本における性産業、性の商品化の需要は凄まじく、異常なほど女性の性的搾取に執着する構造が福祉の拡大や拡充を阻止している実態がある》(同)

 統計的数字が挙げられているわけでもなく、<凄まじく>だの<異常なほど>などと主観的な言葉で問題を煽っているだけのように思われる。<女性の性的搾取に執着する構造>というのも良く分からない。搾取構造ではなく<搾取に執着する構造>は構造と呼べるようなものなのか。

 また、例えば、一旦生活保護に浸れば、そこから容易に抜け出せないといった問題からも分かるように、ただ福祉を拡大拡充すればよいというものではないだろう。男性が一方的に女性を性的に搾取しているというのも、人間性を捨象(しゃしょう)した皮相浅薄な見方ではなかろうか。

《専門学校生や大学生、大学院生たちからの生活相談も止まない。

日本の学費は先進国でトップレベルに高額で、なおかつ給付型奨学金(スカラシップ)がほぼ皆無である。

だから、家庭に余裕がなければ、性産業に従事して、学費や生活費を稼がなくてはならない環境が広がっている》(同)

 <専門学校生や大学生、大学院生たち>における奨学金問題は別問題である。問題意識が自分の周りのことに限られて視野狭窄に陥ってしまってはいないか。<専門学校生や大学生、大学院生たち>はむしろ勝ち組である。そもそも<家庭に余裕がなければ>進学すら出来ない。普通のアルバイトで学費が賄えないとすれば、進学すること自体に無理があったということではないか。

《近年は性産業の門戸も広がり、セックスワークに入職しやすい「簡単、安全、高収入」というイメージ戦略もとられ、ハードルが大幅に引き下げられている。

セックスワークへの誘導はするが、学業支援、生活支援、社会保障を整備しない社会だ。

日本社会は女性たちに性的搾取を強いてきたし、21世紀に入っても、このような人権無視の環境が広がっている》(同)

 <セックスワーク>と<学業支援、生活支援、社会保障>では主体が異なる問題である。<社会>が悪いなどと問題をごちゃ混ぜにするから余計に解決から遠のくのである。

 自分の思い通りにならないことを<人権無視>とただ社会の所為(せい)にしていても何も変わらない。【了】