保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

「アベノマスク」について(2) ~朝日岡崎記者の欺瞞~

《布マスクの効用をめぐっては、専門家の間でも懐疑的な見方が多い。

 九州大学大学院の矢原徹一教授(生命科学)は「国は布マスクの配布に加え、子どもたちのために自作するよう要請しているが、適切ではない」と指摘する。

 布マスクは織り目のサイズが大きいため、飛沫(ひまつ)を防ぐ効果が小さい。また繰り返し洗って使う場合、管理が悪いと雑菌がはびこる可能性があり、かえって不衛生になる可能性も挙げる》(岡崎明子:朝日新聞デジタル2020年4月2日 13時25分)

 岡崎女史は曰く付きの記者である。加計学園問題の際も、次のような誤導記事を書いている。

《獣医師全体でみれば、その数はむしろ飽和気味だ。獣医師免許を持つ人は14年末時点で約3万9千人。高齢になっても働き続ける獣医師が多く、10年前から約8千人増えた。免許を持ちながら獣医師として活動していない人も4千人超いる。

 これに対し、ペットや家畜の総数は減っている。牛と豚の飼養頭数は10年前に比べ約1割減。ペットも犬を中心に減少傾向だ。獣医師の就業先がペットの診療に偏る傾向も変わらない。東京都杉並区で開業する獣医師(37)は「同じ地域内にたくさんの動物病院があるのに新しく建つ。もう飽和状態」と悲鳴をあげる》(岡崎明子、太田匡彦:朝日新聞デジタル2017年6月7日 23時25分)

 獣医師の比率が東日本8、西日本2の割合になっており、西日本でBSE(いわゆる狂牛病)や鳥インフルエンザのような問題が起こった場合、対応できないということで愛媛県が獣医師数を増やそうとしたのが真相である。獣医師全体の話ではない。

 話を戻すと、矢原教授の専門は植物であり感染症の専門家ではない。このような門外漢をご意見番のように使うのはよろしくない。

《5年前に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人、布マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを比べたところ、布マスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったという》(同、朝日デジタル)

 意味不明の調査である。布マスクの効用を調べるのなら不織布マスクとの比較で考えるべきである。

《WHO(世界保健機関)は、新型コロナ感染拡大期における布マスク使用について「いかなる状況においても勧めない」と助言している》(同)

 駄目駄目なWHOの話を鵜呑みにしても始まらない。WHOが言っているのはマスクをしていてもウイルスは貫通するので防御はできないということであるが、マスクをする意味は他者への飛沫感染を防ぐということである。WHOはマスクをすることの意味が分かっていない。【続】