保守論客の独り言

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日本固有の領土と言えなくなった北方領土(2) ~2月6日参院予算委員会 大塚代表代行 vs. 安倍首相~

日の参院予算委員会でも、「『固有の領土』という言葉は使えなくなったのか」と迫る国民民主党大塚耕平代表代行に対し、安倍晋三首相は、「北方領土はわが国が主権を有する島々だ」とだけ述べた。

大塚  (前略) 北方領土は日本の固有の領土だという認識で変わりはないですね。

安倍  我々が、北方領土はですね、我が国が主権を有する島々であるという立場には変わりがないわけでございまして、加えて説明さしていただきますとですね、56年宣言の9項についてはですね、9項を私は引いているわけでありますが、平和条約交渉が継続されること、および平和締結後に歯舞群島色丹島が日本に引き渡されることを規定をしているわけでございますが、これはまさに平和条約が締結されるだけではないということが規定されていると、こういう風にご理解いただきたいと思います。

また、従来から政府が説明をしてきている通り、日本側はここに言う平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのは一貫した立場でございます。したがってですね、1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの合意は領土問題を解決をして平和条約を締結するという従来の我が国の方針と何ら矛盾するものではないと、こういうことでございます。

大塚  我が国の固有の領土だと、固有の領土という言葉を使ってご答弁いただけませんでしょうか。

安倍  政府の立場としてはですね、北方領土についてはですね、島々には我が国の主権、北方領土の島々は我が国が主権を有する島々であるという立場でございます。

大塚  固有の領土という言葉は使えなくなったんでしょうか。

安倍  これはですね、これはもうこの国会ではこの答弁をさして、一貫さしていただいておりますが、北方領土はですね、我が国が主権を有する島々である、この立場、この立場には変わりがないということを申し上げているとこでございます。

大塚  プーチン大統領は過去ですね、この共同宣言等には主権については何も書かれてないし、引き渡し期限が書かれてるわけでもない、どういった条件で返還すると決められているわけでもないと堂々と発言してるんですね。こういう中で何か交渉姿勢が後退しておられませんか。

安倍  交渉姿勢はまったく後退をしていないわけでございまして、まさに今、委員は主権という言葉をお出しになられたわけでございます、ここは非常に重要な点でございますが、今申し上げましたように、北方領土は我が国が主権を有する島々である、この立場には変わりがないということでございます。

大塚  固有の領土と言う言葉は使わなくなったという理解でいいですね。

安倍  これはまさにですね、今申し上げておりますように、北方領土は、これは委員もお認めになったように、主権ということが非常に大切でございますから、我が国が主権を有する島々であると、この立場には変わりがない、これは一貫した立場であるということでございます。

大塚  総理、私じゃなくてプーチン大統領がかつて主権については何も書かれていないと言ってるので、その一方で、主権は有しているという主張は、これ、すれ違いになりますよ。

 「交渉を円滑に進めるために、ロシアを刺激する言葉の使用は控えている」とどうして言えないのか。まさに大塚氏の言うように交渉姿勢が後退していると言わざるを得ない。

 「固有の領土」と言えなくなってしまった北方領土はもはや還ってはこないと考えるのが自然というものであろう。【続】