保守論客の独り言

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「RCEP」国会承認について

《日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合ASEAN)など15カ国が202011月に署名した地域的な包括的経済連携RCEP)協定が28日午前の参院本会議で承認された。早ければ年末にも発効する見通しで、国内総生産GDP)で世界の3割を占める巨大経済圏が誕生する。米中対立が激しさを増すなか、日本は経済安全保障とのバランスも問われる》(日本経済新聞 2021428 10:09

 日本には既にTPP(環太平洋連携協定)がある。これと相容れないRCEPに加わるとはどういうことか。

(同)

《日本は中国や韓国と初めての自由貿易協定となる》(読売オンライン 2021/04/28 12:59

と読売は書く。が、おそらく自由の無いシナが主導することになるであろうこの<自由貿易協定>は「矛盾」でしかない。読売は<自由>の意味が分かって書いているのだろうか。

 日本抜きのRCEPでは、アジアにおけるシナの影響力が増し、日本の影響力が減じてしまう。このことを怖れたがゆえに、RCEPの内部からシナの勝手を抑え、日本の言い分を通そうという考え方なのであろう。が、意気地なしの日本にそんな芸当が出来るとはとても思われない。

 インドは参加を見合わせた。このインド抜きのRCEPに参加することの意味を日本はもっとよく考えるべきではなかったか。

 TPPは安全保障上、自由貿易圏でシナを包囲する意味合いがある。が、RCEPという新たな貿易圏が出来れば、この包囲網が解かれてしまうことになる。

《中国など各国との経済連携による日本の成長が期待される一方、「新冷戦」とも言われる米中対立下で中国依存のサプライチェーン(供給網)の見直しも加速しており、経済安全保障との両立が課題となる》(SankeiBiz 2021.4.29 06:00

 経済は独り経済だけで成り立っているわけではない。米中新冷戦の時代を迎え、経済だけはシナとも仲良くしようなどという虫の良い話は通らない。

《政府の試算では、輸出や投資の増加や消費の拡大などを通じて、日本のGDP国内総生産を実質でおよそ2.7%押し上げるとしていて、およそ1.5%の経済効果を見込んでいる、TPP=環太平洋パートナーシップ協定を上回るとしています》(NHK NEWS WEB 2021428 1126分)

 が、例えば、尖閣諸島で小競り合いが起きたり、台湾有事ということになったりすれば、このような皮算用は瞬時にして吹き飛んでしまうだろう。

 はたまた、RCEPには韓国も入っている。私は現段階でも韓国とは断交に値する政治状況だと思っているが、このような反日国との交易も含めて算盤(そろばん)を弾(はじ)いても意味がないではないか。

 今回のRCEP国会承認からも、親中派・親韓派の影響力がいかに大きいのかがうかがい知れるところである。