保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

日本文化

縄文遺跡群の世界遺産登録とアイヌ

《津軽海峡を挟む「北海道・北東北の縄文遺跡群」がきのう、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。 遺跡群は函館、千歳両市などの道内6遺跡と、青森市の三内丸山遺跡などの計17遺跡で構成する。1万年以上もの長期間、農耕を伴わ…

東京五輪に沸く日本人を批判する芥川賞作家・平野啓一郎氏(2) ~日本人を見下す「私の目」~

《真の罪の文化が内面的な罪の自覚にもとづいて善行を行なうのに対して、真の恥の文化は外面的強制力にもとづいて善行を行なう。恥は他人の批評に対する反応である。人は人前で嘲笑され、拒否されるか、あるいは嘲笑されたと思いこむことによって恥を感じる…

東京五輪に沸く日本人を批判する芥川賞作家・平野啓一郎氏(1) ~日本を批判せずにはおれない習性~

何とも斜に構えた物言いだが、平野氏には、日本を批判せずにはおれない「心性(しんせい)」があるのだろう。 東京大学名誉教授・平川祐弘(すけひろ)氏は言う。 《わが国は昔は大陸から、明治後は西洋から、文化を取り入れた。それが昭和前期には日本のみ…

『関白宣言』への八つ当たりについて

シンガーソングライターのさだまさし氏は、日本ニューミュージック界の草分け的存在であり、中でも『関白宣言』は代表曲の1つに数えられるだろう。『関白宣言』はコミカルソングであり、レコードもコンサート会場での臨場感に溢れ、観客の笑いを誘う内容と…

選択的夫婦別姓について(1) ~「多文化共生」or「他文化強制」~

《保守派を自任する衆参50人の議員有志が、選択的夫婦別姓への反対を呼びかける文書を地方議会に送っていた》(3月4日付神戸新聞社説) のは、 《「あるべき家族像」を他者に押しつけ、異なる意見に耳を貸そうとしない。強権的ともいえる自民党国会議員…

皇室問題について(3) ~日本国憲法に埋め込まれた「時限爆弾」~

《憲法の規定では、天皇の地位は国民の総意に基づく。専門家ばかりでなく、世論にも耳を澄ませ、開かれた議論をすべきである》(11月6日付東京新聞社説) これは、GHQに潜り込んだソ連のスパイであるトーマス・ビッソンが日本国憲法に埋め込んだ「時限…

皇室問題について(2) ~現代の価値観で伝統を判断する愚~

《性別にこだわらない考え方に立てば「直系長子(第一子)優先制」が採られる。西欧諸国の王室などはその典型例であり、英国のエリザベス女王など有名な女王も珍しくない》(11月6日付東京新聞社説) 話にならない。「皇室」(権威の象徴)と「王室」(権…

皇室問題について(1) ~「女系天皇」は有り得ない~

《秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)となられたことを広く示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」の中心儀式「立皇嗣宣明の儀」が8日午前、皇居・宮殿で行われた…立皇嗣の礼は、憲法に基づく国事行為で、天皇の子でなく、弟が皇嗣として公にお披露目…

判子廃止騒動について

《河野太郎行政改革担当相が24日、行政手続きで印鑑使用を原則廃止するよう全府省に文書で要請した。やむを得ず使用する場合は、9月末までに理由の早急な回答も求めた。河野氏は24日夜のテレビ朝日番組で、デジタル化推進の一環と位置付けた》(産経ニ…

脱ハンコについて(3) ~日本文化再発見~

フォトジャーナリストの内村コースケ氏は言う。 《印鑑文化の終わりと、デジタル化の波は、確実に近づいている。一方で、このタイミングで、「クールジャパン」の一つとして印鑑が見直されているという事実もある》(「『デジタルファースト』で岐路に立つ日…

脱ハンコについて(2) ~経団連・中西会長のハンコ不要論~

《経団連の中西宏明会長は27日の記者会見で、日本企業に残る押印の慣行を巡り「ハンコ(に頼る文化)はまったくナンセンスだと思う」と語った》(日本経済新聞 2020/4/27 17:15) ハンコを押す行為自体が<ナンセンス>なのではなく、ハンコを押す行為を<…

脱ハンコについて(1) ~「効率」という名の陥穽(かんせい)~

《ハンコや紙に依存した慣行の見直しに向けた機運が広がり始めている。いかにビジネスの効率化につなげるか、官民で検討してもらいたい》(6月1日付読売新聞社説) 確かにハンコは、特にビジネスの世界において、非効率の象徴のような存在なのだろうと思わ…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(3) ~お袋のおにぎりは旨かった~

《そもそも高校の行事において、食中毒や集団感染を予防する手立てを考えておくということは、管理者の責任だろう》(河合塾:横浜市立大学(前期)小論文総括) 最近の学校は衛生面での意識は高く、農家の方がおにぎりを出してくれることは想定外のことだっ…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(2) ~問題とどう向き合うかが問題だ~

《私が本問に接しまず気付いたことは、医師という職業に従事した場合、将来遭遇するであろう3つの事項が、課題文の中にさりげなく盛り込まれているということである。それは、 (1)少数者の人権尊重・擁護に対する考え方、 (2)高齢者に対する意識の度合い、 (…

「他人が握ったおにぎり」を食べられない問題について(1) ~他所の家の料理を食べる経験がない~

昨年、横浜市立大学医学部医学科の入試に次のような小論文の問題が出された。 【問題】あなたは高校の教師である。ある日、授業の一環として稲刈りの体験作業があり、僻地の農家に田植えの体験授業に生徒を連れて出かけた。稲刈りの体験作業の後、農家のおば…

「具体」という言葉遣いについて

学校の会議で「具体の~」という言葉遣いをしばしば耳にする。私には非常に違和感がある表現なのであるが、話し言葉の揺らぎなのかと思っていたら、先日書き言葉でも次のようなものが目に留まった。 《多くの人は、生活の中で法律の条文に触れることは稀でし…

天皇即位に伴う恩赦について

《天皇陛下の即位に伴う今月の「即位礼正殿の儀」に合わせ、政府は恩赦をする方針だ。国家の慶弔時に慣例的に行われるが、「もはや遺物」の声も。民主主義の時代にふさわしい在り方を探りたい》(10月9日付東京新聞社説) 私は「恩赦」なる慣例に反対である…

勤労感謝の日について

《勤労感謝の日。祝日法に「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」とあるが、分かりにくい》(11月23日付毎日新聞「余録」) 11月23日という日に勤労を感謝する何か特別な意味合いがあるわけではないのだから当然である。 《戦前は…