保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

朝日社説の路線変更について(1)シナに反論する朝日社説

(連載中の「8月15日「終戦記念日」社説を読む」は中断します)
 朝日がシナ(China)に対し反論するなんて夢にも思わなかった。購読者数が激減し、このままでは近い将来会社を畳まねばならなくなることを憂慮し、起死回生を図らんと最後の「勝負手」を放ったということなのだろうか。

巨大市場を武器に、貿易で他国に圧力をかける「経済的威圧」にも等しいふるまいだ。合理性を著しく欠いた措置に、強く抗議する。

 東京電力福島第一原発の処理水放出に合わせ、中国政府が日本からの水産物輸入を全面的に止めると発表した。中国外務省は「海洋環境と食品の安全、人々の健康を断固守る」という。

 だが、科学に基づいた協議の呼びかけに応じてこなかったのは中国の方だ。健康や安全をめぐる正確な情報を欲する中国の消費者に対しても、誠実な態度とはいえまい。(朝日新聞社説「中国の禁輸 筋が通らぬ威圧やめよ」)

 が、事実かどうか、科学的かどうか、合理的かどうかなど彼らには何の関係もない。ただ、日本を政治的に抑え込めればそれでよいのである。

 北太平洋など日本と中国の漁船が競合する海域もある。日本の水産品すべてが輸入禁止ならば、そこで中国漁船が捕った魚などの取引も全面的に禁止しなければ、筋は通らない。(同)

 筋が通ろうが通るまいがそんなこと関係ない。同じ海域で漁をしたとしても、日本が獲った魚は汚染されており、シナが獲った魚は安全だということである。

 中国の居丈高な対応には多くの前例がある。3年前には豪州の首相が新型コロナウイルスの発生源の調査を求めたことに中国が反発。豪州産ワインなどに高関税をかけ、取引量を激減させた。

 こうした経済的威圧は中国をめぐる経済安保面のリスクとして、先のG7サミットの議題にもなった。中国外務省は「日本政府は国際社会の強い疑念と反対を無視している」と非難するが、むしろ自国の信用が傷つく行為と認識すべきだ。

 そんなこと彼らにとってどうでもよいことである。信用するかしないかは力関係でしかないのだから。

影響を受ける日本の水産業に対して十分に支援する必要があろう。水産物の国内消費を促進し、欧米を含む新たな販路開拓で、中国市場への依存を改めていく努力も求められる。(同)

 自由主義を尊重する私は、こういった社会主義的な政府の支援を好まない。が、国民が社会主義的支援をこれまでもずっと当てにしてきた以上、このような主張が出て来るのも無理はない。

 いずれにせよ、朝日新聞がこれほどまともな社説を掲載したことに私は驚きを隠せない。朝日社説は以上であるが、明日は、他紙の社説と比較検討することにする。