日本で「国連」(国際連合)と称されている国際機関は、the United Nations(連合国)であり、その前身は、第2次世界大戦の「連合国」である。つまり、第2次大戦の戦勝国が創ったのがUNという機関であり、これを「国連」などと訳しているから、中立的機関のように勘違いしてしまうのである。実際、UN憲章には、未だに「敵国条項」が存在する。
第53条
1. 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極又は地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
2. 本条1で用いる敵国という語は、第2次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。
日本はまさにこの「第2次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国」に該当する。
☆
《国連の女性差別撤廃委員会は17日、日本の女性政策を審査する会合をスイス・ジュネーブで開いた。委員からは選択的夫婦別姓の導入に向けた取り組みを問う声や、男女平等の観点から皇室典範の見直し検討を促す意見が上がった。同委は近く改善勧告を含む報告書を公表する》(時事通信2024年10月18日09時14分配信)
日本の皇室典範は伝統に基づくものであり、これを見直すようUNが勧告するとすれば、UNが日本の歴史を否定するということである。が、元々日本を敵視していたUNが、日本の歴史伝統を否定したとしても驚くには当たらない。
《男系男子のみに皇位継承を認める皇室典範について問われると、政府担当者は「歴史や伝統を背景に国民の支持を得て今日に至っている」として、同委で扱うことは「適切ではない」と主張した。これには議長が「スペインなど同様に差別的な法律のある全ての国に質問していることだ」と異議を唱えた》(同)
これに対し、葛城奈海女史が堂々反論を行った。
「日本の天皇は祭祀王です。ローマ法皇やイスラムの聖職者、チベット仏教のダライ・ラマはみな男性なのに、国連はこれを女性差別だとは言いません。なぜ日本にだけそのように言うのですか? 世界には様々な民族や信仰があり、それぞれ尊重されるべきです。内政干渉するべきではありません」(葛城奈海:Facebook 2024年10月15日火曜日 15:43)
これは「正論」である。が、そもそも宗教を否定する人達にはこの論は通じない。UNの皇室典範への容喙(ようかい)の根底には、反日感情のみならず、反宗教的思想があり、この問題は、宗教を肯定する人達と否定する人達の戦いであることをしっかりと心して応対する必要があると思われる。
なお、皇室の伝統を独り西洋的「宗教」として捉えることもまた軽率であることにも注意が必要である。「宗教」と「伝統」の異同は、非常に重要な検討課題ではあるが、ここで簡単に述べられるようなものではないので、詳しくは別稿に譲ることとしたい。