保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

衆院選自公過半数割れについて(11)読売社説その1

《自民が苦戦した背景には、「岩盤」と呼ばれた保守層の支持が離れたこともあるのではないか。

 岸田前首相が昨年、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立に急に舵 (かじ)を切ったことや、総裁選での選択的夫婦別姓の議論に反発する支持者は多かった。

 こうした政策に反対してきた参政党や、政治団体・日本保守党が一定の支持を集めたのは、自民に不満を持つ保守層を引きつけることに成功したからだろう。既成政党に対する不信感が、新興勢力を勢いづけている側面もある》(2024年10月28日付読売新聞社説)

 問題は、LGBT法だけではない。移民問題もあるし、太陽光発電問題もある。外国には金をばら撒くが、国内は、社会保障費や再生可能エネルギー賦課金などどんどん国民が自由に使えるお金が減らされている。反乱が起こらないのが不思議なくらいだ。

《立民の伸長は、自民の「金権体質」を争点化する手法が奏功したことが一因だ。

 また、野田代表は、仮に政権交代が実現したとしても、現在の安全保障政策を概(おおむ)ね継承する考えを示したほか、原子力発電を含むエネルギー政策について、党の綱領で定めた「原発ゼロ」にこだわらない方針を強調した。

 こうした現実的な主張が有権者に安心感を与えたようだ》(同)

 安全保障政策は継承、原発ゼロにはこだわらない。だったら立民は何がしたいのか。〈現実的な主張が有権者に安心感を与えた〉ということは、これまで立民が言ってきたこと、そして党の綱領は「非現実的」だったということになり、非現実的な政党が、選挙戦術として、心にもなく現実的政策をちらつかせて有権者を誑(たぶら)かしたということなのか。

《選挙戦で政策論争が深まらなかったのは残念だ。

 物価高を上回る賃上げをどうやって定着させていくかは喫緊の課題である。社会保障制度を持続可能な仕組みとしていくにはどうすればよいか。急速に進む人口減少への対策も待ったなしだ》(同)

 物価高を上回る賃上げを定着させることが〈喫緊(きっきん)の課題〉であるはずがない。そもそも〈物価高を上回る賃上げ〉などどこにもない。どこにもないものを定着させることなど出来るはずがない。物価高を上回る賃上げを図(はか)ることなど、余りにも筋の悪い「弥縫(びほう)策」でしかない。物価高の最大の原因は円安にあるが、この円安をどう考えるのかを検討せず、物価高を上回る賃上げがあれば良いと考えるのはあまりにも思慮が浅すぎると言わざるを得ない。

 私は、安倍政権が異次元の金融緩和によって円安に導き、そのことで企業会計を立て直したことにそもそも疑問に思っている。金融緩和が企業倒産を防ぎ、失業者の増加を抑え、企業の求人倍率も上昇したのは事実である。が、この政策はあくまでも一時的ものであって、これが恒常的になってしまっては、ただ斜陽産業を延命させるだけで、新陳代謝は失われ、結果として日本の産業全体が衰退することになってしまいかねない。今がまさにそういう状態にあるのだと思われる。