《自民党が作った失言防止マニュアルを、ミタパンの愛称で知られるフジテレビの三田友梨佳アナウンサーが痛烈に批判したことが、ネット上で注目を集めている》(HUFFPOST5/19(日) 15:04配信)
確かに国会議員がマニュアルを守って発言するなどとすれば情けない限りである。マニュアルに縛られた、「良い子ちゃん」の議論など聞くに値しないだろう。
《演説会などでの発言に関して、マスコミの報道内容には文字数の制限があることから、失言を報道されないように「発言は『切り取られる』ことを意識する」などと注意喚起した。
その上で、ニュースの「タイトルに使われやすい『強めのワード』に注意」などととして、以下の5点に気をつけるように促している。
>01.歴史認識、政治信条に関する個人的見解
03.事故や災害に関し配慮に欠ける発言
04.病気や老いに関する発言
05.気心知れた身内と話すような、わかりやすく、ウケも狙える雑談口調の表現》(同)
反日左翼の餌食となるようなことは口にするなということであるが、私はこれが好ましいことではないと思う。例えば、歴史認識において、日本はかの大戦において良いこともしたと言えば叩かれるということであるが、これでは悪いのはすべて日本だったという「東京裁判史観」を肯定し続けることになってしまう。
心ある議員は闘わねばならない。戦勝国によってはめられた戦後日本という枠組みの問題点を炙(あぶ)り出し、これを変えていかねばならない。そのためにはまずしっかりとした認識が必要である。相手を説得するための語彙や修辞法も必要である。そして何より信念、哲学がなければならない。
問題は薄っぺらな認識、軽々しい言葉、そして軟弱な信念で戦後日本の問題に関わろうとするところにある。そしてあっけなく討ち死にすることでさらに問題解決は遠退いてしまうのである。
が、話はそれ以前なのかもしれない。
《5月29日、自民党の桜田義孝前五輪担当相は、千葉市で開かれた会合で「結婚しなくていいという女の人が増えている。お子さん、お孫さんには子供を最低3人ぐらい産むようにお願いしてもらいたい」と発言し、問題となった》(「失言続きの桜田議員、自民党の「失言マニュアル」も効果なし」:FLASH 5/30(木) 15:37配信)
少子高齢化の問題を子供を増やせばよいと単純に考えているからこのような発言になってしまうのである。
確かに、社会保障をはじめとする今の体制を維持しようとすれば、子供の数を増やすしかない。が、現在の人口が日本にとって必ずしも適正な数というわけでもないのであるから、無理をして子供の数を増やそうとするのではなくもう少し少ない数の人口で国を運営する道もある。そして、社会保障の方を抑制するという選択肢もあるはずである。そういったことが十二分に検討された節がない。そこに問題の根がある。【続】