保守論客の独り言

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アイヌ新法成立について(3) ~アイヌ協会中にアイヌの血を引く人は2割位?~

自民党青山繁晴参院議員(比例代表)は7日の党参院議員総会で、政府が今国会に提出予定のアイヌ民族に関する新法案に触れ、「(北海道)アイヌ協会の中に本当にアイヌの血を引く方(かた)は2割くらいしかいない」と発言》(北海道新聞電子版02/08 05:00)

し、物議を醸(かも)した。<「北海道在住のアイヌの血を引く方々」からの情報>(同)ということであるが、その2割のアイヌの血を引く人たちもアイヌ民族と呼ばれ得るような民族集団を形成し、民族文化を伝承しているとは言い難いのが実態であろうと思われる。

北海道アイヌ協会によると、会員の要件は《1》アイヌの系譜を持つ人《2》系譜を持つ人の配偶者《3》系譜を持つ人の養子―の3点。系譜を持つかどうかは戸籍に基づいて協会が認定している》(同)

と言う。アイヌと結婚すればアイヌアイヌの養子となればアイヌではアイヌアイヌでなくなってしまっても仕方ない。勿論、アイヌ文化を実態として継承しているのであれば問題はない。問題は、アイヌ語も学ばず、アイヌ的風習や慣習を実践せず、アイヌの民話伝承を信仰しない人たちをアイヌと呼んでよいのかということである。

 その人個人をアイヌと呼んでよいかどうかということ以上に、アイヌ固有の生活を営む「アイヌ民族」という集団は一体どこにあるのかということの方がはるかに大きな問題である。血統を辿っていけばアイヌと言うことは出来るのかもしれないが、アイヌとしての集団生活を営んでいない「アイヌ民族」を民族と呼んでいいのか。

 実態のない「アイヌ民族」を保護するとはどういうことなのか。今回の新法はこの根本問題にまったく答えていない。実態のないものを保護する名目で資金を投入するのは利権政治そのものである。

 アイヌ問題に反対するのは自分の政治的肩書に傷が付くと恐れてか、はたまた本当にアイヌ問題を調べもせずに弱者救済問題だと思い込んでなのか、このようないい加減な法律を簡単に通してしまう日本の国会って一体何なのだ。

 「弱者」に甘いのが戦後民主主義とは言え、政治が「弱者」に対して毅然(きぜん)とした態度で振る舞えなければ、政治が「弱者」の食い物にされかねない。

 成立してしまったものは仕方ないとすれば、アイヌの人々にはせいぜいアイヌ語を身につけてもらい、アイヌの風習を実践し、アイヌの民話を伝承すべく勉強してもらいたいと思うだけである。それが出来なければ援助補助の見直しも有り得る、ということにはならないのだろうか。【了】