保守論客の独り言

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女性天皇と女系天皇(2) ~女性天皇待望論?~

《「新しい天皇即位式の映像見て、人口減少で存続の危機にあるのは経済国家としての日本だけでなくその皇室もだってことに気づいたわ」という下りから始まるニューヨーク•タイムズ紙の記事を読んで、日本の皇室の長い歴史の中には、女性が天皇だったことが何度もある(8人、10)と知り驚く》(宇多田ヒカル201954日付ツイッター

 これは女性天皇であって女系天皇ではない。このあたりの区別は重要である。

51日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日系)は、現状で女性天皇の議論が遅々として進んでいないことを指摘し、将来的に天皇家の血筋が途絶えてしまう懸念があるとして、「愛子天皇の即位」の可能性について一歩踏み込んだ報道をした》(NEWSポストセブン5/12() 16:00配信)

 女系天皇は有り得ないとしても、女性天皇は有り得る。このことはしっかり確認しておかねばならない。現状のように男系男子の天皇候補が脆弱(ぜいじゃく)であれば、女性天皇誕生の可能性も考えて、どういう課題問題があるのかを冷静沈着に検討しておく必要がある。

宮内庁では、古代日本から126代続く皇室の文化や制度、儀式や祭祀に関する膨大な文献が管理されている。今改めて、それらの記録が丁寧に調べられているという。

「過去に女性天皇が在位していた時の資料を掘り出して、その間に宮中祭祀や儀式がどのように行われていたかを調べているそうです。

 たとえば、新天皇即位の礼で、天皇玉座である高御座(たかみくら)に立ち、皇后は御帳台(みちょうだい)に立たれます。過去の女性天皇は即位された時、高御座に立たれたのかどうか。

 また、皇室には古来から独特の“血の穢れ”の思想があり、女性皇族は生理中には宮中祭祀に参加されません。かつての女性天皇はどうされたのか。そうした具体的な事案まで調査し、女性天皇容認の本格的な議論に備えているようです」(皇室ジャーナリスト)

 改元をまたいで、女性天皇実現に向け、水面下で着々と準備は進んでいる》(同)

 <女性天皇実現に向け、水面下で着々と準備は進んでいる>などと言えば、何か女性天皇を積極的に誕生させようとしているかのようであるが、実態としては、そうなる可能性が少しでもあるのなら、いざという時のために準備をしておくに如(し)くはないということなのであろうと思われる。

《にわかに盛り上がる女性天皇の待望論。大きな理由は、「安定的な皇位継承を実現するため」というものだ。

 長い歴史を持つ日本の皇室にとって、安定的に皇位を継承することは何にも増して優先される最重要事項である》(同)

 正論を述べているかのようで、怪しい臭いがプンプンする。本気で<安定的に皇位を継承すること>を考えるのなら、戦後GHQによって狭められた旧宮家を復活させることを優先すべきである。少なくともその議論が先になければならない。【続】