《改ざんは、国有地の大幅値下げ売却について、安倍首相が「自分や妻昭恵氏が関係していたら首相も国会議員も辞める」と国会で答弁した後に始まった。そこで昭恵氏らの名が出てくる記述などが消された。
佐川氏は、首相らの関与が疑われるのを避けようと忖度(そんたく)したのか。あるいは官邸などからの指示があったのか。これこそが問題の核心だ》(3月20日付毎日新聞社説)
仮に忖度したのだとしてもそれだけでは犯罪にならない。また、官邸などから指示があり、決算文書が削られたのだとしても、これまた犯罪には問えない。だから検察も佐川氏らを不起訴にしたのである。こんなことが<問題の核心>だと言って騒ぐのは、はっきり言って時間の無駄である。
自殺者が1人出ているではないかと言うかもしれないが、むしろ自殺に追い込んだのは改竄(かいざん)だ何だと言って騒ぎ立てたマスコミや野党の方である。
《国会でも、核心部分である国有地の8億円もの値引きの経緯を含め森友問題の徹底解明が必要だ。
妻側は「すべて佐川氏の指示」「佐川氏の指示を受けた理財局幹部が過剰に修正箇所を決めた」などとした職員の手記を公表した。
一方、財務省の報告書は、佐川氏が部下の報告に「政治家関係者からの照会状況を記載した文書を外に出すべきではない」と反応したことが始まりだったとする。
佐川氏から「それ以上具体的な指示はなかった」とし、部下が佐川氏の「反応」を受け改ざんの必要性を認識した―との結論だ。
どちらが本当なのか、曖昧にしてはならない部分である》(3月20日付北海道新聞社説)
などと執拗に言い続けるから、精神的に追い込まれる人たちが出てくるのである。
《行政の公正性をゆがめる官僚の忖度(そんたく)やずさんな公文書管理など、1強政権のひずみが噴き出したのが森友問題だ。それは桜を見る会や検察官の定年延長問題に通じ、政権は根腐れを起こしている》(同)
忖度や杜撰(ずさん)な公文書管理など、罪に問えないようなことをさも大事件のように騒ぎ立て続けてきたのが森友問題である。それらは成程長期政権の緩みの部分もあるとも思われるけれども、基本的に歴代のどの政権にも見られたことなのではないか。にもかかわらず、安倍政権だけの問題であるかのように言うのは公平さを欠く。
安倍政権が<根腐れ>を起こしているなどと他者否定する前に、御自身のお頭(つむ)は大丈夫か確かめてみては如何か、などと言えば、おそらく頭に湯気を立てて怒られるのであろう。【了】