保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

政治

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(1) ~人権は普遍的価値ゆえ内政干渉が許されるという危険な論理~

《中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議案の採択が、自民、公明両党の執行部の判断で見送られた》(6月17日付産經新聞主張) 決議案の中身を見ておこう。 新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案 近年、新疆ウイグル、チベッ…

ワクチン開発は国防だ(2) ~ワクチン開発の体制作りを急げ~

《厚生省(当時)は1994年に予防接種法を改正し、ワクチンは義務接種から任意接種に変更された。それまでもワクチン接種率は低下し新規ワクチン開発も停滞していたが、法改正は国内メーカーのやる気を大いにそいだ。80年代まで日本はワクチン輸出国だ…

ワクチン開発は国防だ(1) ~ワクチン開発に横槍を入れる日本学術会議~

遅まきながら 《政府は国産ワクチンの開発・生産体制を強化するとして、拠点整備などを行う国家戦略を閣議決定した》(高橋洋一「国産ワクチンが遅れた理由」:ZAKZAK 2021.6.8) 国民が日常生活を取り戻すためには、ワクチンが必要である。したがってワクチ…

立憲民主・本多議員の「14歳と同意性交」発言について(3) ~「削除。無かったことにはなりません」蓮舫~

《寺田氏は記者団に「WTの役員としては『いかなる理由があっても成人は中学生を性行為の対象にしてはならない』と提示したが、反対意見が複数寄せられ、(結論を)まとめるには至らなかった」と述べた》(産経ニュース 2021/6/7 18:52) 成人が中学生を性…

立憲民主・本多議員の「14歳と同意性交」発言について(2) ~破廉恥の極み~

《複数の関係者によると、5月10日に開かれたWT(=立憲民主党「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」)で本多平直衆院議員(56、比例北海道ブロック)が「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることにな…

立憲民主・本多議員の「14歳と同意性交」発言について(1) ~弱者保護と自由~

《立憲民主党は2日、性犯罪に関する勉強会を国会内で開催しました。桃山商事の清田隆之さんから「世界で進む『性的同意』の議論。俺たちは男はその意味を理解できているのか」と題する講演を聞いた後、意見交換しました。(中略) 清田さんは、日本の刑法で…

皇位継承等の有識者会議について(5) ~権威を規定するのは歴史伝統~

《日本の皇位継承法に於て、女帝の制度の認められた歴史はあるが、女帝は常に配偶者の現存せざる場合に限られていたのであって、女系子孫の継承を認める思想は全然存在しなかった。日本皇室の万世一系とは、男系子孫一系の意味であることは論をまたぬ。然(し…

皇位継承等の有識者会議について(4) ~伝統を憲法で論ずる勿れ~

《政府は10日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第4回会合を首相官邸で開いた。憲法や法律の観点から母方にのみ天皇の血筋を引く女系への皇位継承資格の拡大、旧宮家の皇籍復帰などについて4人に意見を聴いた。 女…

皇位継承等の有識者会議について(3) ~側室制度~

《女性天皇への賛成派は85%、女系天皇への賛成派も79%に上っている…男女共同参画という時代の流れや、男女平等の憲法の精神にかなっていることは言うまでもない。 そもそも2017年に成立した天皇退位特例法の付帯決議は、女性皇族が結婚後も皇室に…

皇位継承等の有識者会議について(2) ~権威と権力の分離~

《安定的な皇位継承策を議論する有識者会議が始まった。女性・女系天皇や旧宮家(旧皇族)の皇籍復帰など十項目がテーマとなる。国民の意識や時代の流れを踏まえ、新しい皇室像を探ってほしい》(4月5日付東京新聞社説) コミンテルン(共産主義インターナ…

皇位継承等の有識者会議について(1) ~有識者会議という「茶番」~

《安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議が初会合を開いた》(3月24日付毎日新聞社説) <有識者>とはどのような人のことを言うのだろうか。皇室問題を扱うのに皇室伝統の専門家が一人も入っていない有識者会議。こんな「茶番」はもううんざ…

LGBT法案を巡って(5) ~逆転高裁判決~

《戸籍上は男性だが性同一性障害で女性として生活する経済産業省の50代職員が、勤務先の庁舎で女性用トイレの利用を制限しないよう国に求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。北沢純一裁判長は「十分配慮して決定したトイレの処遇は不合理と…

LGBT法案を巡って(4) ~価値平等は野蛮化~

《法案を巡っては、理解増進に重点を置く自民と、差別解消を盛り込むべきだとする立憲民主党の立場に開きがあったが、目的と基本理念に「差別は許されない」との文言を追加することで折り合った。 合意した要綱案は「性的指向と性自認の多様性を受け入れる精…

LGBT法案を巡って(3) ~「ジェンダーフリー」社会の到来~

《5月21日、東京・永田町の自民党本部前で抗議集会が開かれた。 「トランスジェンダー女性を犯罪性と結びつけるな」「わたしたちはもうすでに一緒に生きている」ーー。そう訴える人たちが永田町に並び、主催者によると約100人が参加した》(HuffPost …

LGBT法案を巡って(2) ~50年前まで同性愛行為が違法だった英国~

英国は、今から僅か50年前まで、男性の同性愛行為は違法だった。イングランド及びウェールズで男性の同性愛が条件付きで非犯罪化されたのは1967年のことである。 (英国ニュースダイジェスト 16 November 2017 vol.1495「19~20世紀を生きた 英国…

LGBT法案を巡って(1) ~新たな「差別」を生みかねない地裁判断~

《自民党の山谷えり子元拉致問題担当相は19日、党内の会議で、自分の性別をどのように認識しているかを意味する「性自認」をめぐり、「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、アメリカなんかでは女子陸上競技に参加してしまってダーッとメダル…

出入国管理法改正案廃案について(3) ~問題は政治屋とナルシストの偽善~

《ある自民幹部は「衆院選を控えて採決を強行すれば、選挙は負ける」と話す。 7月4日投開票の都議選への影響もあった。公明党は都議選を国政選挙並みに重要視する。参院法務委は公明議員が委員長を務めるため、「公明から採決強行はやめるべきだと首相はかな…

出入国管理法改正案廃案について(2) ~多文化共生という妄想~

《退去処分を拒む人びとの多くは帰国すると身に危険が及ぶ恐れがあったり、日本に家族がいる人びとだ。だが、改正案はこうした事情に配慮せず、難民認定申請を送還を免れる手段と決めつけ、三回目以降の申請は強制退去の対象にすると規定した。「難民鎖国」…

出入国管理法改正案廃案について(1) ~<不法滞在者>を送り返すのは当たり前~

《外国人の収容を見直す出入国管理・難民認定法改正案について、政府・与党が今国会での成立を断念した》(5月20日付読売新聞社説) この政権運営能力の低さは何なのだろう。一度法案を提出したからには、成立に最善を尽くすのが本来である。が、野党に批…

選択的夫婦別姓再考(3) ~選択的夫婦別姓は日本解体計画の序章~

熊谷俊人千葉市長(当時)は言う。 諸外国の中で、戸籍制度なんてものを持っている国はもはや我が国だけですよ。 (和久井香菜子:WEZZY 2020.04.17 12:00) 戸籍制度が必要なものか否かは外国にこの制度があるか否かとは関係がない。「欧米は日本より…

選択的夫婦別姓再考(2) ~夫婦別姓はマルクス主義思想~

――反対派の主張の一つに、「夫婦別姓なんかにしたら、婚姻制度を悪用する輩が出てくる」というものがありますが、千葉市でパートナーシップ制度を始めて、そのような悪用例が出ていると言えますか。 【熊谷俊人千葉市長(当時)】今まで不正は確認されていま…

選択的夫婦別姓再考(1) ~夫婦別姓婚につながるパートナーシップ制度~

熊谷俊人(くまがい・としひと)千葉市長(当時)が昨年、WEBマガジンのインタビューで「選択的夫婦別姓」について語っている。 【熊谷】これは私の自論ですけれど、反対派の主張の中で整合性がとれていないものが多いと思います。よく「夫婦別姓は家族の…

温室ガス46%削減について(3) ~小型モジュール炉という切り札~

朗報がないわけでもない。 《46%削減の表明で厳しい立場に身を置いた日本だが、実は世界をリードする切り札を持っている。日本原子力研究開発機構が開発した次世代原発・高温ガス炉の存在だ。小型モジュール炉(SMR)であるだけでなく原理上、炉心溶融…

温室ガス46%削減について(2) ~独りシナは好き勝手~

《首相が掲げた「50年実質ゼロ」は、気候変動の影響を減らすため、パリ協定が努力目標とする「産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1・5度までに抑える」のに必要とされる。達成には、50年までの段階での二酸化炭素(CO2)排出削減も欠かせない…

温室ガス46%削減について(1) ~環境を守ろうとする日本、一儲け企む世界~

《バイデン米大統領が盟主となり、世界の40カ国・地域の首脳に参加を呼び掛けたオンライン「気候変動サミット」が22、23の両日にわたって開かれた。 地球温暖化防止を目指す「パリ協定」の目標実現に向けて、米国やカナダなどから2030年時点におけ…

流域治水関連法成立について

《河川の氾濫(はんらん)を防ぐため、ダムや堤防の整備に力を注ぐ時代から、住民や企業も交えた様々な施策を講じることで被害を抑える時代へ――。ハード偏重の姿勢を改め、「流域治水」への転換を図る法案が、先月末に参院で可決・成立した》(5月4日付朝日…

新型コロナと憲法(5)  ~現実を踏まえぬ理想論~

《憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を生存権として位置付け、13条では「すべて国民は個人として尊重される」ことを保障し幸福追求権を権利として掲げている。 コロナから人々の命と暮らしを守り、壊れかけた社会を立て直すことが、…

新型コロナと憲法(3)  ~「法治主義」と「法の支配」の混同~

《現実と憲法の間に乖離(かいり)が生じていないか。憲法改正を避けることを優先するだけでは、解釈に無理が生じ、「法の支配」が形骸化する恐れがある》(5月3日付読売新聞社説) これは「法治主義」と「法の支配」の混同からくる誤解である。制定法(legis…

新型コロナと憲法(2)  ~対米従属での改憲は危険~

《憲法学が専門の棟居快行(むねすえとしゆき)・専修大学教授は「自由と安全を両立させる必要がある。安全を口実に国家が個人に介入し、内閣の勝手にさせないよう、国会が縛っていくことが大事だ」と指摘する》(5月3日付毎日新聞社説) これはその通りなの…

バイデン米大統領の施政方針演説について(3) ~独裁者を否定する独裁者~

I also told President Xi that we will maintain a strong military presence in the Indo—Pacific just as we do with NATO in Europe – not to start conflict – but to prevent conflict. I told him what I’ve said to many world leaders – that Ameri…