保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

政治

ロックダウンと入国制限緩和

《新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからぬ中、全国知事会は20日、オンラインでコロナ対策本部の会合を行い、感染力の強いデルタ株に対して緊急事態宣言では効果が見いだせないと指摘、人流抑制の時限的措置として「ロックダウン(都市封鎖)」のよ…

首相候補が見当たらない悲劇(3) ~高市前総務相の総裁出馬宣言~

突如伏兵が現れた。前総務相の高市早苗衆院議員である。 《女性初の総務大臣や衆議院議院運営委員長を歴任してきた自由民主党の高市早苗衆議院議員が、8月10日発売の「文藝春秋」9月号に「総裁選出馬宣言」となる論文を寄稿した。政権構想となる「日本経済強…

首相候補が見当たらない悲劇(2) ~中選挙区制に戻すべきだ~

一番の問題は「小選挙区制」である。小選挙区制は当選者が1人なので必然、政党を選ぶ選挙となる。逆に言えば、人を選ぶ選挙とならない。そのため選挙を通じて人は育たない。 選挙を通じて人を育てるためには、かつてのような「中選挙区制」に戻すことが望ま…

首相候補が見当たらない悲劇(1) ~人が育たない小選挙区制~

《産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、次の首相にふさわしい政治家を尋ねたところ、河野太郎行政改革担当相が17.9%で、5月の調査から4カ月連続でトップだった。前回調査(7月17、18両日実施)で3位だった菅義偉(…

閣僚の「8月15日の靖国参拝」について(3) ~8月15日は「終戦」か「敗戦」か~

8月15日を「敗戦記念日」と考えるものもいる。日本は戦争に負けた。が、大東亜戦争後、亜細亜は欧米の植民地支配から解放され、多くの国が独立を果たしたのである。 《1941年に合衆国と英国を一時的に打ち破ることによって、日本は西方列強が無敵では…

閣僚の「8月15日の靖国参拝」について(1) ~8月15日参拝は政治的~

《菅政権になって初の「終戦の日」のおととい、3人の閣僚が靖国神社に参拝した。菅首相は参拝せず、自民党総裁として私費で玉串料を納めるにとどめたが、その2日前には、自衛隊を指揮監督する立場の防衛相を含む2閣僚の参拝もあった。敗戦から76年、首…

熱海土石流について(4) ~太陽光発電に吹く逆風~

キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志研究主幹は言う。 「アメリカで問題視されたら、日本が何もしないという訳にはいかない。ただ、部品の輸入元を中国から切り替えた瞬間、太陽光発電の価格は跳ね上がる。そうなれば、日本の脱炭素に向けた計画は近い段…

熱海土石流について(3) ~本当に太陽光発電コストが最安なのか~

理学博士・高田純氏は次のように分析する。 これは1つの分析であって、絶対的なものではないことは言うまでもないが、少なくとも現段階において非常に有力な分析であることは間違いない。であれば、山間部における太陽光発電施設を総点検し直す必要があるし…

熱海土石流について(2) ~太陽光発電施設の影響の有無~

《土石流が静岡県熱海市伊豆山地区を流れ下った7月3日、上流部の森林を開いて作られた太陽光発電施設との関連を指摘する声がSNS上にあふれた。その後、静岡県の調べにより、谷あいに残土が持ち込まれて盛り土された場所が土石流の起点だったとわかり、"…

熱海土石流について(1) ~「盛り土」崩壊の要因~

《静岡県は4日、熱海市伊豆山(いずさん)地区で発生した土石流災害について、土石流の発生源付近に置かれていた盛り土が崩れることで大規模化したとの見方を示した。盛り土は開発行為により置かれたものとみられ、土石流の推定総量約10万立方メートルの半…

大阪「表現の不自由展」について(3) ~自由を破壊する自由は認められない~

《大阪府の吉村洋文知事は9日…「表現の不自由展」が開催されていた名古屋市の施設で8日、郵便物に入っていた爆竹のようなものが破裂し、市が利用を停止したことを引き合いに「もう何が起きるか分からない。明らかに差し迫った危険がある」と指摘した。 労…

政治指導者不在のコロナ禍の悲劇(5) ~前向きの政策を打ち出すのが真の指導者だ~

京都大学の藤井聡教授は言う。 「作用と副作用すべてを踏まえた最も適切な感染症対策、つまりコロナで亡くなる方、経済で亡くなる方、うつ病になる方、後遺症に苦しむ方、みんなを見すえた上で一番被害が小さくなるようなベストウェイを探りましょうと言って…

政治指導者不在のコロナ禍の悲劇(4) ~言うことを聞かない飲食店を狙い撃ち~

《第5波とみられる感染拡大をどう食い止めるのか?という中で出てきたのが、緊急事態宣言下でも酒の提供を続ける飲食店に対する「2つの対策」です。 1つは「金融機関」などから飲食店に対して、酒の提供停止などに従うよう働きかけることを要請するという…

政治指導者不在のコロナ禍の悲劇(3) ~自由の抑圧~

《発令に伴い、酒類提供店は午後8時までの時短営業から休業へ逆戻りを強いられる。 自治体からの要請を受け入れた見返りに協力金が支払われる仕組みだが、営業すれば得られたはずの利益を補償する制度設計になっていない。支給が遅れる例も続出し、資金繰り…

政治指導者不在のコロナ禍の悲劇(2) ~印象操作~

NHKのWEB記事は次のようなグラフを掲げ、40~50代の重症患者数増加に警鐘を鳴らす。 《特に増えているのが40代から50代の重症患者で、先月18日には4人でしたが、徐々に増え、先月27日には11人、そして今月6日には26人と感染拡大の第…

共産主義者に乗っ取られた観のある東京五輪について

橋本聖子・東京2020組織委員会会長と「MAZEKOZEアイランドツアー」の総合構成・キャスティング・監督・総指揮を担当する女優の東ちづる女史の対談が東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト「​東京2020​」に掲載されている。 「東京2020大会が決まった…

40人出席のバッハ会長歓迎会について

《18日。東京・赤坂の迎賓館で開かれたIOC(国際オリンピック委員会)・バッハ会長の歓迎会が、物議を醸している。 (中略) 歓迎会には、IOC関係者のほか、小池都知事、森前会長、丸川五輪相など、40人ほどが出席したという。 (中略) 収容人数は…

政治指導者不在のコロナ禍の悲劇(1) ~異様な宣言発出~

《緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行して3週間、懸念されていた新型コロナの感染再拡大が現実のものとなり、政府はきのう、東京都を対象に、今年に入って3度目、通算で4度目となる緊急事態を宣言することを決めた》(7月9日付朝日新聞社説) …

立憲・泉政調会長の失言とその不誠実な対応について

《25日から始まった東京都議選の選挙戦で、応援演説に駆けつけた立憲民主党の泉健太政調会長が「障害者軽視」とも取れる問題発言をしていたことがAERA dot.の取材でわかった。 問題の発言があったのは、27日の午前。大田区選挙区から立候補する立憲民主…

稲田元防衛相の誤解(4) ~日本の歴史伝統を尊重しない典型的な戦後保守政治家~

西田昌司・自民党政務調査会長代理は言う。 「みんなが互いを理解しあって寛容な社会を作っていこうという方向性が自民党の元々の案だ。そこに『差別は許されない』という1文が入ると、法律の目指すところが『寛容な社会』とは意味がちょっと変わってくる。…

稲田元防衛相の誤解(3) ~憲法14条の拡大解釈~

―今回の法案を「奇跡的なガラス細工の合意案」と表現していました。 野党はすでに差別解消法案を国会に提出していましたので、与野党協議は5月の連休までずっと平行線でした。野党からの提案は、差別解消のための措置を入れてほしいなど、なかなか受け入れ…

稲田元防衛相の誤解(2) ~<差別は許されない>は道徳の次元~

自民党「性的指向・性自認に関する特命委員会」の稲田朋美委員長が東京新聞のインタビューに応えている。 ―法案のどういう点に反発が出たのでしょう。 議員立法なので、与野党の合意が必要です。自民党案を1ミリも変えないというのはできなかったので、法案…

稲田元防衛相の誤解(1) ~聞く耳を持たぬ独善~

稲田朋美元防衛相が、自身を批判した、産經新聞・阿比留瑠衣氏の記事に噛み付いた。 人間である限り誤ることもある。だから自分の方が間違っているのかもしれない。そう構えるのが「大人」というものだ。相手が阿比留氏のような実績評価のある新聞記者であれ…

土地利用規制法成立について(2)  ~実質「基地周辺住民監視」法~

《土地を巡る安全保障上の不安や懸念としては、外国資本等による土地の取得・利用を問題視する指摘が少なくない。しかしながら、経済活動のグローバル化が進展する中、外国資本等による対内投資は、イノベーションを生み出す技術やノウハウをもたらすととも…

土地利用規制法成立について(1) ~土地購入規制法でないことに注目!~

《国境離島や防衛施設周辺等における土地の所有・利用を巡っては、かねてから、安全保障上の懸念が示されてきた。経済合理性を見出し難い、外国資本による広大な土地の取得が発生する中、地域住民を始め、国民の間に不安や懸念が広がっている。例えば、長崎…

異論を「ブロック」する河野大臣について

河野太郎氏は現在、行政改革担当、国家公務員制度担当、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当、内閣府特命担当(沖縄及び北方対策、規制改革)大臣である。 が、思想的には、夫婦別姓賛成、女系天皇賛成、移民政策賛成、原発反対、靖国神社参拝反対という…

政権交代なき党首討論は不要だ

党首討論は、英国を真似、政権交代可能な二大政党制を目指して行われるものだったはずである。 《党首討論は、英国議会の「クエスチョン・タイム」をモデルに99年に導入された。一方的に与党が質問を受けるのでなく、与野党の代表が問題意識をぶつけ合う場…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(4) ~獅子身中の虫~

《日本維新の会、国民民主党、立憲民主党や自民の外交部会などが了承手続きを終えたが、公明の同意が得られず、採決見送りとなった。国会決議は全会一致とする慣例を盾に取った判断といえる》(6月17日付産經新聞主張) ここまで露骨にシナを擁護しようと…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(3) ~産經主張のおかしな論理~

《中国政府による深刻な人権侵害を非難する国会決議案の採択が、自民、公明両党の執行部の判断で見送られたことで…浮かび上がるのは、専制主義の中国と対峙(たいじ)して自由、平和、繁栄を守っていかねばならないという時代の要請を理解しない国会と政党の…

「シナ人権侵害」非難決議見送りについて(2) ~「アリバイ作り」の非難決議~

先日に引き続き「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案」を見ていこう。 このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメン…