《18日。東京・赤坂の迎賓館で開かれたIOC(国際オリンピック委員会)・バッハ会長の歓迎会が、物議を醸している。
(中略)
歓迎会には、IOC関係者のほか、小池都知事、森前会長、丸川五輪相など、40人ほどが出席したという。
(中略)
収容人数は、着席の状態でおよそ80人としていて、今回の出席人数は、その半分程度に抑えられていた。
食事や酒は振る舞われず、所要時間はおよそ1時間。
(中略)
出席した加藤官房長官は、今回の歓迎会を「サロンコンサートとして、音楽を鑑賞するという形で行われたもの。ソーシャルディスタンスの確保など、コロナ対策が厳格に講じられていたところであります」と説明した》(2021年7月19日 月曜 午後6:13 FNNプライムオンライン)
これに対し、会場の外のデモ隊は、
「多くの人たちに、コロナ感染を予防するために集まるなと。会食するな・集まるな、遠方に移動するなと言っておいて、IOCのバッハ会長は何をやっているんですか!」(同)
と「正論」を吐く。が、デモ隊も屋外とはいえ「密」の状態であるから、テレビ朝日『モーニングショー』の玉川徹氏が大好きなPCR検査をしっかり受けて参加してもらいたいものである。が、
「不要不急のパーティーやめろ」「ぼったくり(男爵)は帰れ」「五輪は中止」(日刊スポーツ2021年7月19日8時51分)
とのシュプレヒコールは相変わらずである。
お笑いタレントの千原ジュニア氏は、ABEMA『ABEMA的ニュースショー』で次のように批判した。
「歓迎会開催? これはちょっと、黙ってられないですね」
「舐められすぎというか、これだけ我々が我慢していて、歓迎会? それで国の長と東京の長と色々な元会長とが40人ほど集まってやるんでしょ。これ例えば、去年なんかでも、コロナ禍でコロナ関係なく亡くなられた方はお通夜もできない、葬儀もできない。本当にごくごく数人でみたいな。一周忌、お酒飲みながら、お寿司つまみながら故人を偲ぶこともできないという中で、よくみんな黙っているな」(ABEMA TIMES 2021.07.18 13:08)
葬式や法事が出来ないというのは緊急事態宣言の勝手な解釈だろう。こんな無責任なことを言わせている番組も番組だ。
《与党幹部は、歓迎会について、「日本としての礼儀の問題」。
批判の声が出ることには、「世論がおかしい」と話した》(同、FNNプライムオンライン)
おかしいのは世論よりもむしろこの与党幹部である。菅義偉首相が出す必要もない「緊急事態宣言」を先手先手ということで出したのだから、歓迎会も先手で中止すべきだったのではなかったか。
私は五輪を開催する限り歓迎会はあって然るべきだと思う。問題は、五輪を開催するにもかかわらず、そして新型コロナによる重傷者、死亡者数に改善がみられる中、どうして緊急事態宣言を出したのかということである。この辺りの問題を整理する能力が欠けているから「世論がおかしい」などという他者否定の発言になってしまうのではないか。