が、やはり聞き手に女性を批判したかのように受け取られるような話し方をした森氏にも問題はある。はっきり言えば、話し方が下手なのである。言っていることは間違っていなくても、話の組み立て方や表現法が下手くそなので反感を買ってしまうのだ。「神の国発言」の時もそうだった。
森氏は多分、女性がたくさんいて時間が掛かる会議に閉口しておられるのだろう。であれば、その具体的会議を問題にすればよいだけである。が、具体的な話をすれば角が立つ。否、そんな個別部分的な話を持ち出すのは会見の場にそぐわない。だから一般論にしてしまったのであろう。が、それがけちのつき始めとなってしまったということである。
《橋本聖子五輪相は4日、森会長と会談し、男女共同参画や五輪憲章の観点から「あってはならないこと。女性の立場にもしっかり立ちながら、世界に向けてメッセージを発信する大会にしていくことが必要だ」と伝えたことを明らかにした。森会長からは「大変、申し訳なかった。東京大会に向けて最後まで努力していきたい」と返答があったという》(産経ニュース 2021.2.4 19:31)
<男女共同参画>は「共産主義思想」に基づくものである。「男女平等」は良い事だと条件反射的に判断している人が多いのであろうが、共産主義社会がいかなる末路を辿ったことか。ソ連邦による社会実験は失敗に終わった。つまり、共産主義は現実を踏まえぬ妄想だったということである。
<男女共同参画>なる「共産主義思想」を盾にして森氏の発言を抑え込もうとするのはやはりおかしくはないか。森氏の発言が不適切だったのは何も<男女共同参画基本法>があるからではない。
《JOCをはじめとするスポーツ団体は、20年代のできるだけ早い時期に女性理事を40%とする目標を立てている。昨年末に決まった政府の男女共同参画基本計画にも明記された》(2月5日付朝日新聞社説)
理事の適正ではなく性別を優先する。それを政府が<男女共同参画基本計画>に明記したということは、もはや現政権は「共産主義」にどっぷり浸かってしまっていると言っても言い過ぎではないだろう。
《森氏はきのう会見し、反差別や男女平等原則の完全実施をめざす五輪精神に反するものだったと謝罪。発言を撤回した》(同)
五輪憲章の「2 IOCの使命と役割」には次の一文がある。
8 男女平等の原則を実践するため、あらゆるレベルと組織において、スポーツにおける女性の地位向上を促進し支援する。
<男女平等>など非現実的空想だと私は思うけれども、もしIOCがそう言うのならオリンピック競技の性別は撤廃すべきではないか。そうすれば性別確認検査などという人権侵害問題もなくなる。
男女を区別し女性を優遇するのは逆差別以外の何物でもない。【続】