保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

都知事選について(1) ~政党も問題、マスコミも問題~

東京都知事選は小池百合子氏が圧勝し、再選を果たした。一極集中がさらに進み、地方にも大きな影響を与える首都の選挙としては、論戦があまりに低調すぎたと言わざるを得ない》(7月7日付山陽新聞社説)

 確かに<論戦があまりに低調すぎた>感は否めない。が、その原因は、政党の不活性とマスコミの批判力の低さにあると言うべきである。

自民党は前回選挙では別の候補を立てて敗れ、都議会では野党に甘んじている。にもかかわらず今回、積極的に候補擁立に動かなかった。旧民主党は小池氏が設立した希望の党をめぐって分裂した。立憲民主党共産党とともに別の候補を支援したものの、大きなうねりはつくれなかった。各党は自党の損得を優先し、山積する課題について、議論の土台を作る責任を放棄したと言えよう》(同)

 やはり最大の問題は自民党が候補者を立てなかったことにある。結果として、小池女史の信任投票になってしまった。

 そもそも野党が統一候補を立てられなかったなどというのは大した話ではない。「一強多弱」の野党統一候補かどうかなどどうでもよいことだ。問われるのは有力な候補かどうかだけである。

 そもそも「国会議事堂前に慰安婦像を建てろ」などと言う人物(宇都宮候補)が都知事になれるわけがない。それより驚いたのが、立憲民主党枝野幸男代表の次のツイートである。

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  投票日当日は選挙活動を行うことが出来ない。よって、宇都宮の餃子店に託(かこつ)けて宇都宮という名前を有権者の潜在意識下に刷り込もうとしたのだろうが、こんな選挙違反紛(まが)いの姑息な手を使う人物が野党第一党の代表というのでは余りにも情けない。

《争点は新型コロナウイルス対策と、延期された東京五輪パラリンピックへの対応とされた》(7月7日付京都新聞社説)

 このようなことしか言えないのが現在のマスコミの力である。おそらく誰が都知事となってもコロナ対策は大差ないはずである。否、大きく違うようでは困る。小池氏は「絵に描いた餅」が好きだから東京版CDC(疾病対策予防センター)創設といったことをぶち上げるが、そんなことは表層的なことに過ぎない。都としてやれること、やるべきことをコロナの状況に応じて粛々と行うより他はない。

 東京五輪についても東京都に出来ることは限られている。ワクチンや特効薬が開発されれば問題ないのだろうが、とても来年開催に間に合うとは思えない。いずれにせよIOC国際オリンピック委員会)の思惑次第でしかない。【続】