保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

マスコミ

横田滋さん死去について(3) ~ゴルディウスの結び目~

《北朝鮮の非道さを非難するとともに、日本政府には問題の解決へ向けた有効な方策を急ぐよう強く求める》(6月7日付朝日新聞社説) 朝日もやっと北朝鮮を非難したかと考えるのはまだ早い。この日本語は曖昧である。語順を変えて、 日本政府には、北朝鮮の…

横田滋さん死去について(2) ~植民地支配という「嘘」~

今でも戦前日本は朝鮮を植民地化して悪逆無道なことを行ったのであるから、日本人が北朝鮮に拉致されても仕方がない面があると思っている日本人が少なくないのだろうと思われる。実際、日本は植民地支配に対する国家的謝罪を繰り返している。 「わが国は、遠…

横田滋さん死去について(1) ~各紙社説の白々しさ~

北朝鮮による拉致の被害者横田めぐみさんの父、滋さんが亡くなった。 各紙社説も拉致被害者およびその関係者に寄り添うが如くこの訃報を扱っているが、私はその言葉の白々しさに虫唾(むしず)が走る思いがするのである。 《この悲劇を繰り返してはならない…

検事と記者のずぶずぶの関係について

西日本新聞の永田健・特別論説委員は自問する。 《黒川弘務前東京高検検事長が記者と賭けマージャンをしていたことが発覚し、辞職に追い込まれた。 そもそも賭けマージャン自体が違法であるし、緊急事態宣言の発令中に「3密」状態で遊んでいたのもよろしく…

なぜ中学生は制服を着るのか

《福岡県の公立中1年のA君は「制服を着たくない」と悩み続けている》(西日本新聞 2020/5/30 11:00) という。 《A君は全員が同じ服を着用することで個性が軽視され、大人たちが納得する「中学生らしさ」が押しつけられているように感じるという》(同) …

『テラスハウス』とSNS(3) ~最初が肝心~

何が問題なのかを最初に掴(つか)み損なっては出る答えも出せない。「最初が肝心」なのである。女子プロレスラー木村花さんが自殺(?)したのはSNSで誹謗中傷を受けたからだと考えるのは余りにも短絡的である。それどころか、本質から目を背ける行為だ…

『テラスハウス』とSNS(2) ~炎上狙いのテレビ番組~

《リアリティー番組は、予測できない展開が視聴者を引きつけ、世界でも人気のコンテンツだ。「テラスハウス」も台本がないと宣伝していた。 しかし、実名で生身の自分をさらけ出すことになる。番組内で注目が集まれば、SNSなどで個人攻撃の的になる危険性…

『テラスハウス』とSNS(1) ~<恋愛リアリティー>と銘打った「やらせ番組」~

《男女6人の共同生活に密着するフジテレビ制作・放送の「テラスハウス」に出演していた22歳の木村花さんが亡くなった。番組内での言動をめぐり、人格をおとしめる投稿がネット上で繰り返され、自宅から遺書らしきメモが見つかったという。 番組はネットフ…

黒川検事長の辞職について(3) ~自分には多くを課さない人達~

《歴史の下降期、すなわち国家が分立主義の犠牲となって分裂する時期には、大衆は大衆であることを欲せず、大衆の一人一人が指導的人物であると信じ、すべて卓越した者に反逆し、彼らに嫌悪や愚昧や妬みを浴びせる。そういうときには、大衆は自分のばかげた…

黒川検事長の辞職について(1) ~法の支配~

《東京高検の黒川弘務(ひろむ)検事長が辞表を提出した。コロナ禍で外出自粛が求められているさなかに、産経新聞記者の自宅で賭けマージャンをしたと週刊文春が報じ、法務省の聞き取りに氏も事実を認めたという。 公訴権をほぼ独占し、法を執行する検察官と…

「アベノマスク」について(3) ~朝日のデマはもはや無効~

案の定WHOも指針を転換した。 《WHO=世界保健機関は新型コロナウイルスの感染が広がる中、マスクの使用に関する指針の内容を更新し、一般向けのマスクを着けても感染を予防できる根拠はないと改めて指摘する一方で、自分が感染している場合に他の人にう…

「アベノマスク」について(2) ~朝日岡崎記者の欺瞞~

《布マスクの効用をめぐっては、専門家の間でも懐疑的な見方が多い。 九州大学大学院の矢原徹一教授(生命科学)は「国は布マスクの配布に加え、子どもたちのために自作するよう要請しているが、適切ではない」と指摘する。 布マスクは織り目のサイズが大き…

「アベノマスク」について(1) ~表層しか見ないのは日米同じ~

安倍首相が各家庭に布製マスクを2枚ずつ配布すると表明したことについて米ブルームバーグ通信は次のように報じた。 In a country where people have long covered their faces to protect against allergies and avoid spreading disease, masks were the fi…

国連を利用する狡猾な中国(2) ~戦後親米保守を主導してきた読売の欺瞞~

《世界保健機関(WHO)は2007年に就任した香港出身の事務局長の下で、総会への台湾のオブザーバー参加を認めなくなった。エチオピア出身の現事務局長は、新型コロナウイルス対応が中国寄りだと批判されている。 国際民間航空機関(ICAO)も中国人…

森友問題:遺族提訴について(3) ~自殺に追い込んだのはマスコミと野党だ~

《改ざんは、国有地の大幅値下げ売却について、安倍首相が「自分や妻昭恵氏が関係していたら首相も国会議員も辞める」と国会で答弁した後に始まった。そこで昭恵氏らの名が出てくる記述などが消された。 佐川氏は、首相らの関与が疑われるのを避けようと忖度…

森友問題:遺族提訴について(2) ~妥当な売買取引~

2017年2月8日、大阪府豊中市の木村真・市議会議員が、国(財務省近畿財務局)が森友学園に売った豊中市内の国有地だけ値段が情報開示されないとして情報公開の裁判を起こしたのが値引き問題の始まりである。 木村市議は、関西地区生コン支部と地方議員ネット…

森友問題:遺族提訴について(1) ~真相を追及できないマスコミと野党~

《森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんに加担させられ、自ら命を絶った近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)の妻が、国と当時の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏に損害賠償を求める訴えを起こした。 弁護団が公表した赤木さんの手記に…

WHO新型コロナウイルス「パンデミック」表明について(3) ~安心できる情報こそ必要だ~

《急ぐべきは、感染を確認するPCR検査の拡充と、感染者の増加に備えた医療体制の整備である。ともに立ち遅れが指摘されている。「日本の感染者数が比較的少ないのは、十分な検査をしていない結果ではないか」という、市民の不信や不安を早急に解消すべきだ》…

WHO新型コロナウイルス「パンデミック」表明について(2) ~マスコミの中国への忖度?~

《ここまで感染が広がったのは、WHOの認識の甘さが原因だ。中国での新規感染者数の減少などを理由に「まだパンデミックではない」と言い続けてきた。 日本政府の対応が後手に回ったのは、WHOの初動の遅れが影響したからとの声も出ている。今後、各国からの非…

WHO新型コロナウイルス「パンデミック」表明について(1) ~独り言うべきことを言う産經主張~

《世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の現状について「パンデミック(世界的大流行)といえる」と表明した》(3月13日付産經新聞主張) 表明の主体を他紙のようにWHOとせず、テドロス事務局長としているのが…

新型コロナ特措法成立について(2) ~安倍政権とマスコミ・野党との相互不信~

《五輪開催さえ危ぶまれるような先行き不安の中で、安倍政権は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻むための法整備の必要を唱えている。全く理解に苦しむ。 既に、旧民主党政権下の2012年に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」がある。海外から流…

「植村・櫻井」慰安婦報道裁判について

《従軍慰安婦報道を巡り、雑誌などの批判記事で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者が、出版社やジャーナリストに損害賠償などを求めた訴訟で、原告敗訴の判決が札幌高裁で言い渡された》(2月8日付北海道新聞社説) 至って普通の判断であろうと思われ…

消費増税の失敗を責められないマスコミ

《昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は実質で年率6・3%減と大幅なマイナス成長に陥った。昨年10月の消費増税に伴い、GDPの約6割を占める消費が落ち込んだ。 政府は増税前、2兆円規模の手厚い経済対策を講じた。それでもマイナス幅は、20…

立憲民主党に政権構想を迫る読売新聞の愚

読売新聞が立憲民主党に<説得力ある政権構想を示せ>と迫る社説を掲げたのには正直驚いた。政権を取る気のない、否、その能力のない政党に政権構想を示せと言うのは悪い冗談でしかないだろう。 《立憲民主党が党大会を開いた。枝野代表は「野党の連携で問題…

マスコミの頭を占有する森友問題(2) ~唯我独尊の似非民主主義者たち~

左寄りの新聞が難癖を付け続けるのは仕方がないのだろうが、驚くべきは産經新聞までが同様の批判を行っていることである。 《泰典被告は初公判で、「国策捜査」などと検察を批判した。1審とはいえ裁判所が認めたのは、両被告が人をだまし、詐欺を働いたとい…

マスコミの頭を占有する森友疑惑(1) ~強迫性障害~

《大阪市の学校法人森友学園に対する補助金不正事件で、詐欺罪などに問われた学園前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告に対し、大阪地裁が有罪判決を言い渡した。 起訴状によると、両被告は大阪府豊中市の国有地に開校を予定していた小学校の建設に絡み、国…

安倍首相の野次「意味のない質問だよ」について(3) ~このままでは国が亡びる~

《国会審議が何のために行われるのか首相は理解していない。 国会審議は、提出議案の可否を決めるとともに、国政に関する調査を行うためにある。また首相や閣僚は「答弁又(また)は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と憲法は定め…

桐生悠々について(4) ~自分事としての批判~

桐生悠々は、<昭和>に語り掛けるという手法で、時代状況を批判する。 《「昭和」! お前は今日の時局に何というふさわしからぬ名であるか。尤もお前も最初は明朗であり、その名通りに「昭」であり、「和」であったが、年を重ぬるに従って、次第にその名に…

桐生悠々について(3) ~パペット・ショー批判~

《将来若(も)し敵機を、帝都の空に迎えて、撃つようなことがあったならば、それこそ、人心阻喪(そそう)の結果、我は或は、敵に対して和を求むるべく余儀なくされないだろうか。何ぜなら、是の時に当り我機の総動員によって、敵機を迎え撃っても、一切の…

桐生悠々について(2) ~悠々は「平和主義者」ではなかった~

桐生悠々は、戦後言うところの「平和主義者」のような存在ではなかった。実際、<戦争は必ずしも悪いと決ってはいない>と言う。 《戦争と平和と、いずれを択(えら)ぶかといえば、国民の多くは後者を択ぶだろう。一部階級のものを除いて、残余の多数は、戦…