《日本はきのう、輸出管理の優遇措置対象国である「グループA(ホワイト国)」から韓国を外す措置を発動した。韓国は対抗措置として既に日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めている。
日本は、国家間の信頼関係が失われたとの理由で外交問題を通商政策に絡めた。これを口実に、韓国は対立を安全保障問題にまで広げた。
異なる分野で応酬し合い、関係悪化は底が見えない》(8月29日付毎日新聞社説)
韓国のGSOMIA破棄は日本が韓国をホワイト国から外した対抗措置なのか。こういう重さがまったく異なるものを対抗措置などとどうして言えるのか。否、そもそもGSOMIAは韓国側にとっても恩恵のある協定なのであって、これを破棄することがどうして対抗措置になるのか意味不明である。
GSOMIA破棄は、韓国が日本を友軍として見ないということの宣言である。火器管制レーダー照射のころから敵対的であることは明らかであったが、GSOMIA破棄によって、韓国は北朝鮮側に立つということを旗幟鮮明にしたことになる。
社説子は日本が<外交問題を通商政策に絡めた>などと言うが、これは事実ではない。
《日本が韓国を「ホワイト国」から除外したのは輸出規制ではなく、日本の安全保障のためだ。規制の対象となった半導体素材3品のうち「フッ化水素」は、核兵器製造に不可欠な化合物だからである。
「北朝鮮は天然ウランを産出しますが、フッ化水素の製造技術はありません。ところが“核兵器を保有した統一朝鮮”を目指す親北派が政権を牛耳る韓国には、日本から大量のフッ化水素が輸入されています。しかも、韓国は所在不明となっているそれらの素材の行先をいくら尋ねても答えない。ですから、フッ化水素など核開発関連物質を北朝鮮に横流ししているのではないかという疑惑が生じているのです」(官邸関係者)》(「週刊実話」2019年8月29日 10:00)
《発端は、昨年10月に韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた徴用工判決にあるということを改めて確認したい》(同)
徴用工判決は日韓の間に横たわる1つの懸案事項に過ぎない。ゆえにこれがすべての<発端>のように言うのは間違いである。
《日本は、韓国が冷静に検討できる環境を整える必要があろう。河野太郎外相は「歴史を書き換えることはできないと韓国は理解すべきだ」と批判した。高圧的とも言える発言は韓国の感情を逆なでするだけだ》(同、毎日新聞社説)
レーダー照射問題、日韓慰安婦不可逆的合意の破棄、徴用工問題における日韓請求権協定無視、GSOMIA破棄。これらは日本を敵視しなければ有り得ないものばかりであり、日本側が環境整備すればどうにかなるというようなものではない。河野外相が、日本を代表して、怒りの感情を露わにするのも当然であり、韓国にここまで虚仮(こけ)にされて黙っておれるはずがない。
《日韓両国は東アジアの民主主義国家として重要なパートナーである。戦略的な利益や地域の将来像について認識をすり合わせるためにも、政治レベルの対話が必要な時だ》(同)
韓国は最早、否、元々<重要なパートナー>ではない。韓国と仲良くしようとするから付け込まれるのである。毅然と接することが必要である。