保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

思想・哲学

女性・女系天皇について(2) ~皇室の存在は風前の灯~

《新天皇に期待する役割を複数回答で選んでもらったところ、「被災地訪問などで国民を励ます」が最も多く66%、「外国訪問や外国要人との面会」が55%、「戦没者への慰霊など平和を願う」が52%――などとなった》(朝日新聞デジタル2019/04/18 20:35) …

女性・女系天皇について(1) ~女系天皇は「万世一系」の伝統を崩す~

《新しい天皇陛下には被災地訪問などを期待し、将来の安定した皇位継承のために女性・女系天皇を認めてもよい――平成から令和への代替わりを前に実施した朝日新聞社の全国世論調査では、こんな傾向も浮かび上がった》(朝日新聞デジタル2019/04/18 20:35) お…

民主と自由(2) ~我田引水の朝日社説~

《英国の歴史家、E・H・カーは、国際政治において理想主義は常に現実主義に否定されてきたと指摘した。ただ、現実の追認だけでは何も生まれないのも歴史の教訓だという》(1月3日付朝日新聞社説) このような言い方は誤解を招く。確かに、理想主義と現実主…

民主と自由(1) ~朝日社説の自分勝手な民主自由論~

1月3日の朝日新聞は「1989年と今の世界 民主と自由の命脈を保て」と題した社説を掲げている。「自由と民主」の語順では「自由民主党」を想起するからか、「民主と自由」という語順に私は少し違和感がある。否、もっと大きな違和感がこの日の社説にはある…

象徴天皇について(4) ~陛下の務めは「祈る」こと~

《象徴の役割を9割近くが評価する一方で、現在も半数が距離を感じると回答した背景について、(関東学院大学教授の)君塚(直隆)氏は「天皇陛下が日ごろどのような活動をしているか情報発信が足りないためだ」と分析する。 英王室では広報担当がツイッター…

象徴天皇について(3) ~目に見えない「天皇」という存在~

《「象徴」という言葉は明治の思想家、中江兆民(なかえ・ちょうみん)がフランス語の「サンボル(シンボル)」の訳語として美学の翻訳書で使い出した言葉という。戦前は一般に芸術や文学の専門用語というイメージだったようだ ▲だから占領軍の憲法案に天皇…

和暦元号について(4) ~元号は国民統合の要~

2019年3月の「NNNと読売新聞社の全国世論調査」によると、普段の生活で元号と西暦では、元号の方を多く使っていると答えた人が41%、西暦が25%,どちらも同じくらいが33%であった。現実問題として、元号と西暦を使い分けるにあたって元号を用いる場面の方…

和暦元号について(3) ~元号なしに歴史は語れない~

《記者は旧くから其の必要を痛感していた事だが、此の際…元号廃止、西紀使用を主張したい。 元来我が国に於て初めて元号を建てたのは大化の革新の際であるが、勿論支那の制度の模倣であった。而かも其の後も年号を定められない天皇は幾方かあり、大化革新の…

和暦元号について(2) ~元号制約の逆説~

《芸術とは限定である。絵の本質は額縁にある。キリンを描く時は、ぜひとも首を長く措かねばならぬ。もし勇気ある芸術家の特権を行使して、首の短いキリンを措くのは自由だと主張するならば、つまりはキリンを描く自由がないことを発見するだろう。事実の世…

和暦元号について(1) ~天皇は夜空に輝く北極星の如し~

《歴史を振り返れば、多くの権力は、時を「統治の道具」として利用してきた。 日本の元号も、「皇帝が時を支配する」とした中国の思想に倣ったものである。 前漢(紀元前206年~8年)の武帝が、時に元号という名前を付けることを始めた。皇帝は元号を決…

大津いじめ自殺判決について(2) ~自殺の原因はいじめであると断定する無理~

《元同級生側は、生徒の口の上にハチの死骸を乗せるなどの行為は「遊びの延長で、いじめとの認識はない。自殺の原因は別にある」と主張して裁判を続行、判決を迎えた。(中略) この日の判決は「元同級生二人の連日の暴行から、生徒は死にたいと望むようにな…

若者には無限の可能性があるのか?

《「君たちには無限の可能性がある」-。成人の日である。新成人に日本中でこの言葉がかけられているかもしれない▼門出を祝う日に水を差すつもりは毛頭ないが、脚本家の山田太一さんはこの「無限の可能性がある」が苦手だそうだ。「大人が若者を無責任に励ま…

LGBT問題は政治問題か文学問題か(3) ~政治と文学~

評論家・福田恆存(ふくだ・つねあり)氏は、かつて 《政治と文學とは本來相反する方向にむかふべきものであり、たがひにその混同を排しなければならない》(『一匹と九十九匹と』:『福田恆存全集 第1巻』(文藝春秋)、p. 643) と言った。中島岳志教授は…