保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

歴史

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(4) ~経緯の表層をなぞる毎日記者~

《日本は51年9月、サンフランシスコ講和条約に署名した。そこには日本が千島列島を放棄すると書かれている。政府は条約批准の国会で千島には国後、択捉が「含まれる」と答弁し、吉田内閣の見解となった。 ところが、次の鳩山内閣になってソ連との平和条約…

日本固有の領土と言えなくなった北方領土(3) ~放棄した千島に択捉、国後は含まれるか~

《日本は51年9月、サンフランシスコ講和条約に署名した。そこには日本が千島列島を放棄すると書かれている》(毎日新聞 2019年2月8日 東京朝刊) Treaty Of Peace With Japan Article 2 (c) Japan renounces all right, title and claim to the Kurile Is…

憲法に規定された天皇の存在の危うさ(1) ~憲法に書き込まれたコミンテルンの陰謀~

《天皇陛下は12月23日、85歳を迎えられた。2019年5月の退位を前に、天皇としての誕生日を過ごすのはこの日が最後になる》(時事通信社2018年12月23日 11時04分 JST) 私は、天皇誕生日に先だった記者会見で、宮内庁記者クラブが提出した質問に対し、次のよう…

12月8日を風化させるな!(4) ~封印された日米開戦の歴史~

《真珠湾は米国の戦争支持派に、渋る国民を参戦させることに躊躇する議会への従属を免れる手段を提供した。そして惨事のまさにその規模がルーズベルトと彼の顧問に惨事を引き起こした政策から注意をそらす機会を与えたのである。国民が12月7日を純粋に軍事的…

12月8日を風化させるな!(3) ~「最初の一発」を撃たせる罠~

《12月6日(筆者注:日本時間は7日)の夕刻には、送られてきた全文、すなわち第1部から第13部までの暗号解読が完了した。日本側はアメリカの提案に不満足であり、それを拒否する、という内容である。電文は戦闘的な言辞に満ちていた。 その夜、ルーズ…

12月8日を風化させるな!(2) ~歴史の証言~

日米開戦について、評論家小林秀雄は次のように書いた。 《「來るべきものが遂に來た」といふ文句が新聞や雑誌で實(じつ)に澤山使はれてゐるが、やはりどうも確かに來てみないと來るべきものだつたといふ事が、しつかり合點(がてん)出來ないらしい。 「…

12月8日を風化させるな!(1) ~大東亜戦争 vs. 太平洋戦争~

1941(昭和16)年12月8日は大東亜・太平洋戦争開戦の日である。日本の命運を左右する賽(さい)が投げられた重要な日であるが、もうこれまでに語りつくしたからか、それともこれ以上取り上げたくないからか、12月8日を特別視しようとするマスコミ…

未だに東京裁判を擁護する毎日新聞(2)~パール判事の「正論」~

東京裁判は11名の判事のうち1人を除いて他はすべて国際法の素人であった。さらに言えば、裁判の公平性を保つためには判事は第三者に委ねるべきであるが、東京裁判はすべての判事が戦勝国側の人間で構成されていた。 唯一の専門家であるインドのパール判事…

未だに東京裁判を擁護する毎日新聞(1)~自己中心的偏説~

70年前の今日1948(昭和23)年11月12日は、敗戦の翌年1946年(昭和21年)5月3日から始まった極東国際軍事裁判(東京裁判)が結審した日である。 《戦前日本を肯定的にとらえたがる民族主義的思考の人びとは「自虐史観をもたらした」と東…

「対外侵略のイデオローグ」に祭り上げられた吉田松陰(3)~松陰と安倍首相を同列に論ずる勿れ~

松陰は危険人物だ、その危険人物の言をしばしば引用する安倍晋三首相も同様に危険人物だ、という論法らしい。その類推(analogy)は当たらずといえども遠からずの感が無きにしも非ずではあるが、松陰の危険性と安倍首相の危険性は少し異なるように思われる。…

「対外侵略のイデオローグ」に祭り上げられた吉田松陰(1)~歴史的人物を裁く傲慢~

長州藩萩に生まれた吉田松陰は、私塾「松下村塾」を開き、久坂玄瑞、高杉晋作といった倒幕の志士を育て、木戸孝允(たかよし)、伊藤博文といった明治の元勲(げんくん)を生んだ「明治維新の精神的指導者」とされる人物である。昨今、その松陰が悪名高き人…