保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

九州豪雨について(3) ~地球温暖化が豪雨の原因?~

《世界の平均気温は既に約1℃上昇したとされています。近年の気象災害の激甚化は地球温暖化が一因とされています》(環境省HP「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」)

 地球の平均気温が産業革命後、たかが1度上昇したくらいで気象災害が激甚化するってどう考えても変である。だから<地球温暖化が一因>だなどと言ってお茶を濁しているのであるが、地球温暖化が原因だと言わないのであれば、何が原因なのか。主たる原因が何か分からないのに、つまり気象学がそこまでの知見を持ち合わせていないのに、<地球温暖化が一因>などと言うのは余りにも適当過ぎる。

《今も排出され続けている温室効果ガスの増加によって、今後、豪雨災害等の更なる頻発化・激甚化などが予測されており、将来世代にわたる影響が強く懸念されます。こうした状況は、もはや単なる「気候変動」ではなく、私たち人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす「気候危機」とも言われています》(同)

 事実に基づかぬ「政治宣伝」は止めるべきだ。温室効果ガスの増加によって豪雨災害などが頻発し激甚化するなどという予測は根拠薄弱であり、「科学」(science)というよりもむしろ不安と恐怖を煽って人を洗脳しようとする「カルト」(cult)と言うべきである。

 白書は、別のところでは次のように書いている。

《個々の気象災害と地球温暖化との関係を明らかにすることは容易ではありませんが、地球温暖化の進行に伴い、今後、豪雨災害や猛暑のリスクが更に高まることが予想されています》(同)

 この部分の執筆者は正直である。前段の<個々の気象災害と地球温暖化との関係を明らかにすることは容易ではありません>とかなり引き気味に、つまり、慎重に述べていることに注意すべきであろう。

 今回の豪雨の構造はどのようなものと考えられるのか。

《梅雨が終わりに近づくと、中国大陸南部から前線に沿って暖かい風が吹き、東シナ海を渡る間に大量の水蒸気を含む。暖かく湿ったこの空気が日本列島まで延びる様子が「舌」に似ていることから「湿舌(しつぜつ)」とも呼ばれている。

 同時に、夏が近づき太平洋高気圧が勢力を増すようになると、高気圧に沿って時計回りに風が吹く。高気圧の西側では南から北に向かって水蒸気を含んだ暖かい風が吹く。

 この2方向からの風が前線付近でぶつかると、上昇気流が生まれて積乱雲が次々と誕生し、激しい雨を長時間降らせる》(産經ニュース2020.7.8 22:24

f:id:ikeuchild:20200710135822j:plain

 京都大学防災研究所の竹見哲也准教授(気象学)は指摘する。

「気温が高いと空気中の水蒸気量が増えるため、地域によって経験したことのない大雨につながった可能性がある」(同)

 が、単に空気中の水蒸気量が増えても雨雲が形成されるわけではない。【続】