保守論客の独り言

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自民党総裁選:選択的夫婦別姓はリトマス試験紙(1) ~炙り出される自民党の左傾化~

《支持動向調査は6日から実施し、衆参両院の議長を除く同党国会議員383人のうち、95%にあたる363人の意向を聞き取りなどにより確認した。16日現在、岸田氏と河野氏が約2割、高市氏は約15%の支持を得た》(読売新聞オンライン2021/09/17 10:47

 岸田、河野両氏が1位、2位を占めるこのグラフを見ても如何に自民党左傾化しているのかが分かるだろう。そして自民党を左右に分ける分水嶺が「選択的夫婦別姓」議論であろうと思われる。

岸田文雄政調会長64)=岸田派=は15日のBSTBS番組で、選択的夫婦別姓制度について「導入を目指して議論をすべきだ」と述べ、導入に意欲を示した》(毎日新聞9/16() 0:21配信)

 岸田氏は、

「必要とされている方、困っている人がいるわけだから議論はしなければならない」(同)

と言う。が、「必要とする人、困っている人」がどういった人達なのかを問うことなくこのような言い方をするのは間違っている。例えば、「選択的夫婦別姓」は将来的な家族解体を目論む共産主義者が主張する制度であるから、本来もっと慎重な判断が望まれるはずである。

 また、優先順位の問題もある。必要とすること、困っていることはおよそ枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がない。にもかかわらず、「選択的夫婦別姓」を優先的に進めようとするのは何故か。これは、政治指導者に必須の「大局観」が欠如しているからではないか。

河野太郎ワクチン担当相は16日、国会内で報道各社のインタビューに応じ、同性婚と選択的夫婦別姓について「いずれも賛成だ」と述べた。ただ、同性婚については「憲法上の問題をどうするのか(という議論が)、当然あるだろう」との認識を示した》(産経ニュース2021/9/16 12:01

 河野氏は、紛(まが)う方(かた)無き革新派である。「選択的夫婦別姓」のみならず「同性婚」にまで賛意を示す。どうしてこのような人物が自民党に所属しているのか不思議だ。

 否、何故(なにゆえ)政治姿勢の大きく異なる人達が「寄り合い所帯」となっているのかが分からない。要は、思想信条よりも「政権権力」に与(あずか)りたいということなのであろう。

 が、自民党は与党なのであるから、「選択的夫婦別姓」に賛成か反対かを有権者が選べるよう、国政選挙においては自民党を2つに割って、しっかり選択肢を提示すべきである。

 どうしようもない野党に投票できないことをいいことに、「選択的夫婦別姓」に賛成でも反対でも自民党に投票するしかないというようなおかしな選挙はやめるべきだ。

 別に、「選択的夫婦別姓」が国政選挙の最大の争点だと言いたいわけではないし、そのようなことは有り得ないのだけれども、「選択夫婦別姓」問題が保守と革新を判定する「リトマス試験紙」と成り得るのではないかと私は思うのである。【続】