保守論客の独り言

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日本共産党の無理(3) ~三すくみの戦い~

日本共産党志位和夫委員長が「敵の出方論」を封印宣言したことを受け、10日のテレビ情報番組『ひるおび!』(TBS系)で八代英輝弁護士が、

「志位委員長がつい最近、『敵の出方』という言い方をやめようとは言ってましたが、共産党は『暴力的な革命』というのを、党の要綱として廃止してませんから。よくそういうところと組もうという話になるな、と個人的には思います」(日刊スポーツ20219131425分)

と述べたが、当然のごとく反発を買ってしまった。

 志位和夫日本共産党委員長は、自身のツイッターで、

「どんな場合でも、平和的・合法的に社会変革の事業を進めるということが、日本共産党の一貫した立場です」(910日付)

「『番組としての謝罪と訂正』をきちんと行うことを求めます」(911日付)

と抗議した。だとすれば

「日本の解放と民主的変革を平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがい」

武装の準備と行動を開始しなければならない」

とした『51年綱領』とは何だったのか。

 1993年以降日本共産党は、過去の暴力的破壊活動は、

「分裂した一方が行ったことで、党としての活動ではない」

「党の正規の方針として『暴力革命の方針』をとったことは一度もない」

と主張している。が、党名を無条件に引き継ぎ、『51年綱領』とは無関係というのでは余りにも虫が良過ぎやしないか。

日本共産党は、党の方針として、綱領を何よりも大切にしている政党です。どうかこの機会に、綱領をお読みいただければと思います。/平和的・合法的に社会変革を進める党。/自由・人権・民主主義を何よりも大切にする党。/その姿がはっきりと表明されています」(914日付)

 これがどうして共産主義なのか皆目分からない。<平和的・合法的に社会変革を進める>というのは「マルクス・レーニン主義」とは明らかに異なる考え方である。また、自由を大切にする共産党って、自分で言ってて気持ち悪くないのだろうか。自由有る所に格差がある。このことを問題とし平等を目指そうとするのが共産主義というものではないのか。

 抗議を受け、13日の『ひるおび!』で八代弁護士は頭を下げた。

「先週の私の発言ですが、私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものでした。一方、日本共産党はたびたび否定されていることも申し上げるべきでした。申し訳ありませんでした」「テレビで発言する者として、今後はより正確にバランスに配慮し、言葉に責任を持っていきたいと思います」(日刊スポーツ、同)

 江藤愛アナウンサーも次のように謝罪した。

「先週の放送で野党共闘をテーマに扱った際、『日本共産党について、暴力的な革命というのを、党の要綱として廃止していない』という発言がありました。日本共産党の綱領にそのようなことは書かれていませんでした。訂正しておわびします」(同)

 が、志位氏はこれを不服とした。

「コメンテーターの発言は、『暴力的な革命を党の要綱として廃止していない』という虚偽発言への撤回・謝罪になっていない」(9月13日付)

 が、加藤勝信官房長官も14日の記者会見で

「政府としては日本共産党のいわゆる『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識している」(産経ニュース2021/9/14 18:08

と述べた。まさに「三竦(すく)み」の様相を呈している。【了】