保守論客の独り言

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大阪G20閉幕:「安倍外交の限界見えた」という朝日新聞の八つ当たり(2)

《トランプ氏が米メディアのインタビューに、日米安保条約は不平等だと不満を表明した直後の日米首脳会談でも、首相が真意をただすことはなく、何事もなかったかのように、日米同盟の重要性が確認された。

 ところが、トランプ氏はきのうの会見で、安保条約が「不公平だ」とし、首相に「変えなければならないと言った」と語った。条約破棄は否定しており、貿易交渉などで日本側の譲歩を引き出す狙いだろうが、同盟の信頼関係に影響しかねない。

 親密な個人的関係を成果につなげることも出来ず、いいように揺さぶられている現状を、首相はどう説明するのか》(630日付朝日新聞社説)

 個人的関係と国際的関係は別である。安倍首相とトランプ大統領の仲が良いからといって、それだけで日米関係がうまくいくなどと考えるのは幼稚に過ぎる。

 「日米安保ただ乗り論」は今に始まった話ではない。このようなことを言って日米安保破棄や見直しになるのは米国にとっても得策ではないということから出ては消え、出ては消えしてきた話である。

《一方、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領との首脳会談は見送られた。中国の習近平(シーチンピン)国家主席には「永遠の隣国」といって近づきながら、重要な隣国である韓国との関係悪化を放置するのは、賢明な近隣外交とは言いがたい》(同)

 朝日新聞の立場は、一連の韓国の無礼が無礼でないという立場なのであろう。レーダー照射はなかった。慰安婦合意破棄は仕方がない。日韓基本条約無視の徴用工判決も致し方ない、ということなのか。

 韓国がやっていることは日韓関係を大いに毀損(きそん)するものであって、このことを棚に上げて首脳会談を行うなどということは有り得ないと考えるのが日本の立場として当然である。会談前に徴用工問題に関して何らかの解決策を示してほしいとの要望に応えられない韓国側とどんな話が出来るというのか。

《安倍政権で目立つのは、国内世論の受けを優先させる姿勢だ。G20サミットは例年、G7サミットの後に開かれてきた。今回、G20議長国の日本が慣例に反し、G7の前に開催したのは、参院選の直前に「外交の安倍」を世論にアピールする狙いとみられている。

 いったい、何のための外交なのか。長期的な戦略より政権維持の思惑が優先されるなら、その行き着く先は危うい》(同)

 私は、米国議会や70年談話で戦前の日本を「謝罪」してきた安倍首相を批判してきた。だから百歩も二百歩も譲って言うのであるが、今の日本が世界的に一定の評価が得られているのは、安倍長期政権のおかげである。かつてのように政権が1年と経たずコロコロ入れ替わるようでは外交など成り立たない。

 一方で、安倍首相の次に日本を担ってくれそうな政治家が見当たらないこともまた事実であろう。警鐘を鳴らすとすれば、安倍首相に取って代わる人物が現れてこないことの方である。安倍政権が長期化しているのはそのことが大きいのではないか。【了】