《憲政史上最長となった安倍政権は、日本としては例の少ない「外交の顔」をつくった。
しかし、それに見合うような成果は伴わなかった。数々の看板を掲げたものの、首脳の個人的関係の演出ばかりが上滑りした感がぬぐえない》(9月3日付朝日新聞社説)
このように言う朝日社説子の判断は妥当適切と言えるだろうか。一番違和感があるのは、「外交」を国内的視点で判断していることである。戦前を国内だけを見て軍部の独走だとし批判したのと同じである。外交には相手がある。相手の視点を無視して判断することなど有り得ないし、あってはならない。
各国や地域の主な反応を見ておこう。
米トランプ政権高官:「われわれは、安倍総理大臣が日本で連続の在任期間が最も長い総理大臣として、傑出した指導力を発揮したことに感謝したい。安倍総理大臣はトランプ大統領とともに日米同盟と両国の関係をかつてなく強固にした。安倍総理大臣の自由で開かれたインド太平洋のビジョンは、トランプ大統領のビジョンと緊密に連携、協力し、2つの偉大な国がそれを大きく前進させた」
台湾・蔡英文総統:「安倍総理大臣はこれまでずっと台湾に友好的だった。政策のうえでも、台湾の人々との交流においても、安倍総理大臣は非常に積極的に取り組んでくれた。安倍総理大臣の台湾への友情をわれわれはとても大切にしていて、健康を願っている」
仏マクロン大統領:「彼はわれわれにとって多くの課題でパートナーであり重要な役割を担っていた」「経済と社会の刷新、特に女性の地位の向上に尽力した。それはアベノミクスの核心だと考えている」
独メルケル首相:「安倍総理大臣のもと、ドイツと日本の関係は非常によく発展したと思う」「安倍総理大臣は、いつも多国間で協調しようと力を尽くし、日本とドイツの遠く離れた距離を越えて、私たちの共通の価値基盤を重視してきた」
英ジョンソン首相:「安倍総理大臣は、日本、そして世界のためにすばらしい実績を残した。安倍政権のもとで、貿易や防衛、そして文化面においてイギリスと日本の関係はますます強力になった」
EUミシェル大統領:「安倍総理大臣のリーダーシップのもとでEUと日本が緊密で強固な協力関係を築けたことに感謝したい」「あなたはこんにちの多国間の協力関係において日本が柱の1つとなるよう努めた」
印モディ首相:「あなたの賢明なリーダーシップと個人的な関与によりインドと日本の関係はこれまで以上に深く強くなった」
豪モリソン首相:「安倍総理大臣はオーストラリアの真の友だ」「オーストラリアと日本は、開かれた、平和な、繁栄するインド太平洋地域という共通の価値観を持ち、それは、両国の連携により強化されている。安倍総理大臣は、経験豊かな指導者としてのリーダーシップで、この地域の繁栄と安定に寄与した」
以上、(NHK WEB「安倍首相 辞任の意向 各国や地域の反応」:2020年8月29日 6時04分)より抜粋。【続】