保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

大阪G20閉幕:「安倍外交の限界見えた」という朝日新聞の八つ当たり(1)

《世界のリーダーを大阪に招き、安倍首相が議長を務めたG20サミットが終わった。直面する課題に確かな処方箋(しょほうせん)を示せたのか、首脳外交の華やかさに目を奪われることなく、その成果を冷徹に問わねばならない》(630日付朝日新聞社説)

 成果を<冷徹>に問わねばならないなどとどうしてこれほどまでに肩に力が入るのかが分からない。20もの国と地域が集まって話し合い、何かがそう簡単に決まるはずがないと考えるのが大人というものである。G20とはやはり一つのお祭り的行事なのだと理解していれば、無事に終わったことが何よりの「成果」であったと考えるのが常識であろうと思われる。

《採択された首脳宣言は、08年のG20サミット発足以来、明記されてきた「反保護主義」への言及が、昨年に続いて見送られ、「自由、公平、無差別な貿易と投資環境を実現するよう努力する」と記された。

 首相は閉幕後の記者会見で、「自由貿易の基本的原則を明確に確認できた」と強調したが、米国への配慮は明らかだ。

 「米国第一」を譲らず、国際秩序を揺るがし続けるトランプ米大統領の説得を、最初からあきらめていたのではないか》(同)

 トランプ氏を説得できるのであればとっくの昔に説得しているであろう。いくら仲が良いからといっても安倍首相の意見を受け入れてトランプ氏が米国第一の考えを改めるなどということはちょっと考えにくい。

 そもそも日米は対等な関係ではない。トランプ氏に日本が意見できると考えるのは朝日社説子が現実の政治というものがよく分かっていないからである。

《首相が仲介外交に乗り出した米国とイランの対立や、サウジアラビアの記者がトルコで暗殺された事件をめぐって、突っ込んだ議論が交わされた形跡はない。会議の成功を優先し、難しいテーマから逃げたと見られても仕方あるまい》(同)

 20もの国と地域が集まって、このような難しい問題を議論の俎上に乗せれば、おそらく話が割れて不調に終わる可能性が高い。そのようなことになってしまっては友好を確かめるべく集まった意味がない。むしろ集まらなかった方が良かったなどということにでもなれば、それこそ主催国日本が赤っ恥をかくことになる。

 集まって話し合えば問題は何でも解決されるなどと考えるのは余りにも世間を知らぬお坊ちゃんである。そもそもイランが参加していない会合で、米国とイランの問題を扱うことが出来るはずもない。否、この問題をG20の議題として一体何をどう話し合えというのだろうか。【続】