保守論客の独り言

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8月15日「終戦記念日」社説を読む(8)朝日社説その8

中国共産党は急速度で実力を備へて来たが、極東革命のためにどうしても叩きつぶきねばならないのは日本と、米、英をバックとする蒋介石政権だ。だから、こゝでは先づ支那大陸に野心を持つ日本と、米英の番犬的存在たる蒋介石軍閥政府を全面的に噛み合せる。この日華戦争には蒋政権の背後にある米英が必ず乗り出してくるにちがいない。いな、その方向に誘導することだ。さうすれば、支那大陸と南方米英植民地を舞台として日、華、米、英が三つ巴(ともえ)、四つ巴となり、血みどろの死闘を演ずるだらう。そして日本軍閥がへとへとに疲れたとき、機を見て一挙に兵を進め、襟首を取って押へとどめを刺すことだ。この極東戦争で、日本帝国も蒋政権も必ず崩壊するであらう。後は中共を中心に極東革命を前進せしめればよい》(三田村武夫大東亜戦争スターリンの陰謀』(自由社)、p. 21)

 英エコノミスト誌の調査部門がまとめた2022年の民主主義指数で、日本は世界16位。台湾は10位だった。

 差がついた一因は政治参加にある。前回20年の台湾総統選の投票率は約75%だった。独裁政権期を経て勝ち取った自由を守る気概がうかがわれる。

 日本の国政選挙の投票率は50%台。権利の上に半ば眠っていると言えまいか。

 国際NGO「国境なき記者団」によれば、報道の自由度において日本は台湾、韓国よりも評価が低い。政治的圧力やジェンダー不平等などが政府の責任を問うジャーナリストの役割を妨げている、と指摘された。(朝日社説)

(注)24位までが「完全民主主義」、25位以下が「欠陥民主主義」

 なるほど、日本は台湾より下の16位であるにしても、日本より下に英国18位、米国30位がいる。米国に至っては、「欠陥民主主義」にさえ入れられている。一方で、徴用工問題でも司法が政府に従属していることが明らかであった、三権が分立していない韓国は「完全民主主義」である。にわかにこの順位付けを信頼することは出来ないということが分かる所以(ゆえん)である。

 何をもって民主主義と考えるのかということが先に議論されなければならない。このような順位付けは、構成要素次第で順位が大きく入れ替わるからである。また、「合成の誤謬(ごびゅう)」の問題もある。たとえそれぞれの要素が民主主義度を測るのに適切であったとしても、それらを総合したら民主主義的でなくなってしまうということがあるということだ。