保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

武田鉄矢「日本で男性優位を感じたことない」発言について

《28日放送のフジテレビ『ワイドナショー』に武田鉄矢が出演。(中略)

 武田はコメントを求められ「いや~ちょっとこのおじいさんには、なかなか解け辛い世の中になってきましたね」と首を傾げ、「私は西洋に比べて、欧米列強に比べてこの日本が特に女性に関して。男性優位社会って言われていますけど、そんな風に感じたことありません」と断言した》(日刊サイゾー 2021/03/29 16:00)

 幾つか確認すべき点がある。まず、これは良いも悪いも武田氏の印象だということである。「日本は男性優位社会とは言えない」と一般化し断定したわけではない。武田氏の感覚を<時代錯誤>などと否定するのは、古い世代を否定することになりかねない。

 次に、武田氏の発言は、相対比較だということである。「欧米に比べて男性優位社会かと言えばそうは感じない」と言っているだけである。

 さらに、<男性優位>とは「男性優遇」を意味するわけではないということも確認すべきであろう。例えば、男性国会議員が圧倒的多数だからといって、男性が優遇されていると考えるのは早計だろう。そもそも国会議員になろうとしている女性が圧倒的に少ないのかもしれないからである。もし女性だけ国会議員になる基準が高くて当選する議員が少ないというのであれば、女性国会議員は研ぎ澄まされたものになるはずであるが、実態としてはそうなっていない。国会議員の能力資質において男女の差があるとは思われない。

 武田氏は続ける。

「やっぱり日本で一番強いのは奥さんたちだと思いますよ。我が家でもそうですけど、母ちゃんから一声、女房から声かけられたら、ねえ」

 が、司会の東野幸治が、

「奥さんに対してはそうかもしれないですけど、職場とか外の所で対女性に対してのコメントとか」

と切り返すと、武田氏は

「あー」

と返すのがやっとであった。

 テレビのバラエティー番組なのだから仕方がないではないか。こんなことにいちいち目くじらを立ててみても損なだけである。が、昨今世間の人々の「沸点」が異様に低く、受け流せば仕舞いなのに、いちいち絡んで文句を付けたがる。が、得てして発言は無責任な言いっ放しである。

「もう武田鉄矢ジェンダーの話聞くなよ。何もわかってないよ」

「男性優位を感じたことないのはあなたが男性だからですよ」

「社会はそうではないよ、武田氏ずれとる」

武田鉄矢なんて狭い世界で生きてるんだ」

「言ってることがポンコツ過ぎる」

 目の前の出来事にしか意識が向かなくなってしまった現代を私は憂う。