保守論客の独り言

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令和2年版「全国地震動予測地図」について

《政府の地震調査委員会(委員長・平田直(なおし)東京大名誉教授)は26日、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」の令和2年版を公表した》(産経ニュース 3/26 (金) 17:38 配信)

 

 一目見て、「南海トラフ巨大地震」「首都直下型大地震」を予測しているのだろうと分かる。一方で、東北三陸が赤くなっていないのが気になるところでもある。いずれにせ、こんな「安物の占い師」みたいな予測を、恥ずかしげもなくよく公表できるものだと思ってしまう。

《平成23年の東日本大震災の余震活動を新たに考慮した結果、東北地方の太平洋沿いで確率が上昇。南海トラフ巨大地震などが懸念される太平洋側地域の多くで前回30年版に引き続き高い確率となった》(同)

 過去に当該地域で巨大地震があり、もうそろそろ同じような巨大地震が起こってもおかしくないという理屈で赤く塗っているのだろうが、いつどこで巨大地震が起こるのかは、「周期的」と言えるようなものではなく、ましてや確率計算できるようなものでもない。

 無論、地震研究は必要であろう。が、地震予知が出来ないことが世間に知られ、今度はいかにも科学を装った確率論に逃げ込んだ地震学者が、研究費の見返りにこのような的外れの予測地図を作成し、ただ世間を惑わすだけなら、「事業仕分け」の対象となる日もそう遠くはないのかもしれない。

 翻(ひるがえ)って、1枚の面白い地図がある。

 これを見れば、日本各地どこでも大地震が起こり得ることが一目瞭然である。政府の地震調査委員会の平田委員長のように、根拠薄弱の予測地図を出した尻から

「日本にはどこにも強い揺れに見舞われない場所はない」

などと逃げを打つなどという不道徳を犯す必要もない。

 残念ながら、この地図の作成主はサイトを閉鎖されてしまっている。世間の不安を煽ったということが理由らしいが残念だ。

 が、不安を煽っているという意味では、「全国地震動予測地図」の方が遥かに問題であろう。熊本地震を外し、大阪府北部地震を外し、北海道胆振東部地震を外してもなお、このような予測地図を出し続けるのはなぜか。

 1つには、この地図によって、地震保険の保険料が変わってくるということがある。換言すれば、地震保険の保険料を決めるために予測地図が必要なのである。

 物理学者・寺田寅彦

「ものを怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正當に怖がることは中々六(むつ)かしいことだ」(「小爆發二件」:『寺田寅彦全集 文學篇 第五巻』、p. 614)

と言ったが、正当に怖がってもらえるような資料の提供が望まれる次第である。