保守論客の独り言

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洋上発電利権と地球温暖化カルト

経済産業省は16日、福島県沖に設置した浮体式洋上風力発電施設を、不採算を理由に来年度に全て撤去すると福島市での会合で表明した。東京電力福島第1原発事故からの復興の象徴として、民主党政権時に事業化が決まり、約600億円が投じられていた》(zakzak 2020.12.17)

 地球温暖化対策を錦の御旗(みはた)にし、採算を度外視して洋上発電事業を行った、換言すれば、民主党政権が新たな利権を創ったということだったと思われる。地球温暖化対策と言えば何でもありなどというのはまさに「カルト」そのものである。

 が、話はこれでは終わらなかった。

東芝の車谷暢昭社長は18日、共同通信の取材に応じ、再生可能エネルギー事業に注力する方針を示した。洋上風力発電の参入にも意欲を示した。脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速する。「再エネ、脱炭素の東芝としてブランドを確立したい」と強調した》(KYODO 12/18(金) 17:39配信)

 環境関連事業にどれほど将来性が見込めるか、つまり、どれだけ大きな利権が存在するのかが分かる。菅義偉首相が<脱炭素社会の実現>を公約しているのであるから当然である。

 が、話はこれでは終わらない。

《次世代の再生可能エネルギーとして期待されている洋上風力発電をめぐり、政府と民間企業などで組織する官民協議会が2040年までに発電能力を最大4500万キロワットに高めるとする産業ビジョンをまとめた。

 菅義偉政権は、50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする方針を打ち出している。そこでは再生エネの導入拡大も掲げており、洋上風力をその中心的な存在に位置付ける考えだ。

 欧州では洋上風力が広く普及しているが、日本はほとんど実績がない。今回、高い目標を示したことで民間や自治体の活発な投資を促し、着実な普及を図りたい》(12月12日付産經新聞主張)

 最右翼と目される産經までが「地球温暖化カルト」にどっぷりと漬かってしまっている。

関越自動車道で12月16~17日に立ち往生などの災害をもたらした今季最強の寒気による14~21日の大雪は、地球温暖化の影響により降雪量が増えた可能性があるとして、政府が研究に乗り出すことが27日、分かった》(産経ニュース 2020.12.27 19:00)

 何でもかんでも地球温暖化のせいにするところがまさに「カルト」たるゆえんである。

地球温暖化による気温上昇は、陸上では雪が雨に変化しやすくなるため、降雪量の減少をもたらす要因となるが、海上では雪のもととなる水蒸気を増やすため、一部地域で降雪量を増大させる可能性があるという》(同)

 <可能性>なる便利な言葉を用いれば何でも言えてしまうところが恐ろしい。こうやって読者に「地球温暖化カルト」が刷り込まれていく。

《海面水温の上昇は大気の状況など複数の原因が考えられるが、地球温暖化も寄与している可能性がある。気象研の川瀬宏明主任研究官は仮説と断ったうえで、「温暖化で一部地域では降雪量が減り、一部地域では降雪量が増えた可能性がある」と指摘している》(同)

 「豪雪」なるものは地球温暖化が言われる前からたびたびあったが、それらと今回の「ドカ雪」と何がどう違うのか。それを説明しなければ、ただ「地球温暖化カルト」を煽っているだけではないか。