保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

石破茂氏は「オワコン」だ!(3) ~負のオーラ~

《21世紀を端的に申し上げますが、世界の人口が倍になる。日本の人口が半分になる。それが21世紀であります》(産経ニュース2020.9.8 16:37)

 <日本の人口が半分になる>と言い切る石破氏は「予言者」なのか。おそらく何ら少子化対策を施さねばという前提で話しているのであろうから政治指導者としても失格である。さらに、これまでの減少傾向をただ延長して考えるのも間違っている。世の中はそんな単純な数式計算で考えられるものではない。

少子化は進み、高齢化は進み、あと20年で、介護にかかるお金2・4倍、医療に関わるから1・7倍、この経済を維持していかなければ、日本の福祉、幸せを維持していくことはできない》(同)

 我々は福祉を維持するために生きているのであろうか。はたまた<幸せ>とは何か。それは物質的豊かさという意味なのか、などなど疑問が湧く。否、そんなことより石破氏の話を聞いていたら、日本は大丈夫かという暗い気持ちになってしまう。

《私は、企業は株主だけのものではない。経営者だけのものではない。従業員であり、家族であり、地域社会のためであり、新しい公益資本主義、これを世界に先駆けて日本は広めていかなければならないと思っております》(同)

 石破氏は<新しい公益資本主義>などと呼んでいるが、その実(じつ)高度成長期までの日本流資本主義のように思われる。が、この日本流資本主義が崩れてしまったのはなぜか。グローバル資本主義の流れに呑み込まれてしまったのか、それともその後追いをしたからなのか。このあたり事情を石破氏がどのように総括しているのかが分からない。ただ古いものを持ち出して新しいもののように言うのであれば詐欺である。

《利潤だけを目的とするのではない。日本各地でいろんな取り組みが始まっている。循環型、そして里山の資源。それを最大限に生かしたサブシステムとしての里山資本主義、それを日本から確立をしていきたい。そのように考えております》(同)

 「都会の喧騒(けんそう)に疲れた日本人よ、田舎暮らしを始めよう」と言っているに等しいなんとも優雅なお話である。「言うのは只(ただ)」とはいえ、とても日本を牽引していこうとする人間が口にするような話ではない。

《潜在力を最大限に引き出し、GDP(国内総生産)を維持し引き上げ、「生きていてよかった」「日本に暮らしてよかった」、そう思っていただける方を増やしていきたい》(同)

 私はこの「生きていてよかった」という言葉にぞっとする。日本人はそんなに死にたいと思っているという認識なのか。「日本に暮らしてよかった」という言い方も違和感がある。普通の日本人には日本に住む以外選択肢はない。だから「日本に暮らしてよかった」などという話にはならない。大変失礼な言い方で誠に申し訳ないが、何か石破氏は「キモい」。【了】