一燈照隅(池内昭夫の日記)

~天邪鬼(あまのじゃく)の独り言~

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■三木清『人生論ノート』論  5/2(1)「100分de名著」の偏見  5/8(2)幸福論を抹殺したカント  5/15(3)哲学書だからこそ難しい  5/22(4)偏見による幸福と成功の誤読  5/29(5)真の幸福と神  6/5(6)虚栄と虚無   6/15(7)神の怒を思へ! NEW

今回の自民党総裁選は要らないという橋下徹氏の浅慮(2)

橋下徹氏は言う。

《日本の国は、現在のリーダーをいつ決めたのか。それは昨年20179月に行われた衆議院議員総選挙だよ。このときに安倍さんは自民党のリーダーとして選挙戦を戦い、有権者の多くは安倍自民党に所属する国会議員に一票を投じて、自民党公明党連立政権を誕生させ、その結果安倍さんが首相に選出された。ここで有権者の意思はしっかりと示されたんだ。

それなのに、今回の自民党総裁選という一私的団体に過ぎない政党のリーダーを決める選挙で、日本国のリーダーが変更になるとしたら、有権者としてはたまったものじゃない。20179月に600億円ほどかけてやった衆議院議員総選挙は何だったのか? となる》(PRESIDENT Online 2018/09/12 11:15

 <何だったのか?>とはならない。日本が採用している間接民主制は、国政選挙において各選挙区の国会議員と政党を選んでいるだけであって、首相を選んではいない。自民党を勝たせれば自動的に自民党の総裁が首相となるわけであるが、自民党の現総裁が最も首相にふさわしいとして自民党に票を投じるわけではない。

 かつてのような中選挙区制であれば、自民党の中のどの派閥に1票を投じるのかということを通じて、党内派閥の当選議員数が総裁選びに影響を与えるということもあったと思われるが、今のような小選挙区制では、国民は大雑把に政党を選ぶことしか出来ない。したがって、実質上国の首相を決めることになる自民党総裁選挙を端折るわけにはいかないのである。

 ここからが橋下氏の持論である。

《かつての政治システムは、権限と責任が不明確で、有権者の意思によって政治行政が動く仕組みではなかった。有権者が選挙でどのような意思を表示しようとも、有力な自民党支援者の声や霞が関の省益を重視した政治行政が進められていく。そして誰がリーダーであっても変わらないという諦めを有権者は抱くようになる。

まあ、これは高度成長時代において、皆で利益を配分することが中心だった政治には向いているシステムだったのかもしれない。有権者の意思よりも、利害の調整重視。

しかし今の時代は、これまでやってきたことの見直しが強く求められる。時には国民に負担を求めることもしなければならない。激動する世界情勢の中で、日本の方針を明確に示し、それを迅速、的確に実行していくことが必要となる。このような場合には、リーダーによるトップダウン型のマネジメントの方が、ボトムアップ型よりも重要になってくる。ゆえに今のような官邸が力を持つ政治システムが向いている》(同)

 2つの問題が混在してしまっている。1つは有権者の意思をいかに政治に反映させるのかということ、もう1つは、以前のような「利益の分配」から現在のような「不利益(負担)の分配」への政治の在り方の変化である。(続)