保守論客の独り言

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国連気候サミット:トゥンベリ怒りの演説について(2) ~誇大妄想~

「10年で二酸化炭素排出量を半分にする」というおなじみの発想があります。でもそれで地球の気温上昇を摂氏1.5度以下に抑えられる確率は、50%しかないんです。つまり、人間には抑制できない、後戻りできない連鎖反応を引き起こすリスクを抑えられる確率は、50%しかないということです。

50%は、あなたがたにとっては無難かもしれません。ですが、この数字には、気候変動の臨界点、ほとんどのフィードバックループ、有毒な大気汚染に隠れたさらなる温暖化、あるいは公平性や「気候正義」の側面が含まれていません。(クーリエ・ジャポン2019.9.24)

 この16歳の少女は<地球の気温上昇を摂氏1.5度以下に抑えられる確率は、50%しかない>というIPCC気候変動に関する政府間パネル)の「宣伝」(propaganda)を鵜呑みにしている。少女は気候変動の専門家ではない。だからこの「宣伝」がどの程度確からしいのかが判断できるわけもない。にもかかわらず、この「宣伝」が事実であるかのように口角泡を飛ばしている。その姿はまさに憑き物に憑かれたかのように「異様」である。

気候変動に関する政府間パネルIPCC)の試算では、地球の気温上昇を1.5度以下に抑えられる確率を67%にするために世界が排出できる二酸化炭素は、2018年1月1日にさかのぼって計算すると、残り420ギガトンでした。いま、その数字はすでに350ギガトン未満までに減っています。(同)

 この16歳の少女は自分の研究をもとに批判しているのではない。自分以外の人たちの研究が正しいものと信じ込んで、拡声器のごとくとなって批判しているのである。こういう輩(やから)を普通、「扇動家」(agitator)と言う。

すべての未来の世代の目が、あなたがたに注がれています。そして、あなたがたが私たちを裏切ることにするなら、私は言います。

「私たちは、ぜったいにあなたがたを赦さない」

ただでは済ませません。

 自分の思い込みに賛同しなければ<赦さない>などと言われても迷惑である。地球の気温がどういう要因要素で決まっているのか、その仕組み(mechanism)は現在の気象学の知見では分からない。IPCCは自分たちの都合の良いように適当なモデルを作っているだけである。二酸化炭素を排出すれば地球の温度が上がる、だから二酸化炭素の排出を減らせば地球の温度上昇を抑えることが出来るなどいうような単純な話ではないのである。

地球温暖化の影響を評価する国連の「気候変動に関する政府間パネルIPCC)」は25日、温暖化対策が十分に進まなかった場合、2100年に海面水位が最大で1・1メートル上昇するとした特別報告書を公表した》(読売新聞オンライン9/25(水) 20:58配信)

 

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《海水面上昇はすでに、2006~15年に年3・6ミリと、1901~90年の2・5倍の速さとなっている》(同)

 <2006~15年に年3・6ミリ>ということは10年で36ミリしか海面が上昇していないということである。

 が、対策が進まなければ2100年には最大で1・1メートル海面が一気に上昇するという。普通こういうのを「誇大妄想」と言うのではないか。【続】