保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

『「嫌韓」の裏に格差と陰謀論』と説く毎日新聞(2) ~そのままお返ししたい「陰謀論」~

《もう一つの特徴は陰謀論だ。「中露に、あるいは中韓にあやつられている政党、新聞。自分だけが真実を知っている」「各国政府はユダヤ人とコミンテルンに支配されている。自分だけが真実を知っている」》(毎日新聞9/23(月) 10:30配信)

 複数の要素を絡めることで我が田へ水を引こうとする論法には注意が必要である。まず、中韓云々とユダヤの話は別物である。また、中国と韓国では話が異なる。さらに、<自分だけが真実を知っている>という言い方で「そんなわけがない」と読者に思わせる手法である。

 毎日新聞は中国に操られているのではないかと多くの人が思ったとしても、確たる証拠がない以上「真実」と言い切ることは出来ない。が、言い切れないからといって毎日新聞が中国に操られていないことが証明されたわけではない。実に巧妙である。

《現実は常に複雑であり、日韓関係も含めて一方的に非難できるものなどないからだ。そんな当たり前のことは、みんな日常生活でよくわかっている。

 けれども、意識的に現実から目をそらさないと気持ちよく他者はののしれない。だから陰謀論がセットでついてくる》(同)

 まさにその通りで、森友・加計問題が陰謀論の典型であった。一方、現政権は韓国を罵ってはいない。だから陰謀論もない。

 <格差>問題から意識を逸(そ)らそうと現政権が「嫌韓」を煽っているとか、「嫌韓」の裏には<陰謀論>があるとか言うこと自体紛うことなき「陰謀論」である。

《あなたが本当に嫌いなのは日本なのだろう》(同)

 この言葉をそのままお返ししたい。

《昔の日本は良かった、今の日本は左翼に汚染されて堕落してしまった、というのもおきまりの文句だ。あなたは現実の日本が受け入れられない。格差を放置し、少数者に冷たい、個人に冷たい、そしてあなたにも冷たい、きっと誰かがずるをしていい思いをしているに違いない、今の日本を否定したい》(同)

 <左翼>を「アベ」に置き換えればまさにこう思っているのが毎日新聞である。

《格差は社会を不安定にする。戦間期の日本やドイツでは政治家の暗殺に結びついた。「ユダヤ人の陰謀」「統帥権干犯(とうすいけんかんぱん)」などの妄想にあおられ、それを信じたものによって実行された》(同)

 <格差>がすべての問題の根源であるかのように言うのは言い過ぎである。自らも<現実は常に複雑>だと言っているではないか。

《多くの国会議員と日韓関係について話をしてきた。もちろん例外はあるが、「嫌韓」の風潮に対する彼らの態度を一言で言い表すとすればおびえだ。輿論(よろん)が暴走する怖さを切実に感じている》(同)

 安倍政権追い落としのために、「世論」(せろん)を暴走させようと、森友・加計問題を煽り続けたのは自分たちマスコミではなかったのか。

《無数の匿名の声が時には力を持つ。天皇機関説事件では政府も新聞も当初は美濃部達吉を支持した。不敬だという中傷は、あまりにもデタラメだったからだ。しかし、デタラメでも輿論が沸騰すると歯止めが利かなくなる》(同)

 戦前も、世間を煽ったのは新聞であった。輿論が勝手に沸騰したのではない。【了】