保守論客の独り言

社会の様々な問題に保守の視点で斬り込みます

韓国慰安婦判決について(3) ~情報戦に負けている日本~

《歴史問題は解決が難しい。一般的には第三国の仲裁や国際的な司法判断にゆだねる選択肢はあるが、できる限り、当事国間の外交で問題をときほぐすのが望ましい。

 その意味で日韓両政府が省みるべきは、2015年の「慰安婦合意」とその後の対応だ。

 粘り強い交渉の末、双方が互いに重視する点を織り込みあって結実させた合意だった。だが残念にも今は、たなざらしになっている。

 前政権が結んだ合意を文在寅(ムンジェイン)政権が評価せず、骨抜きにしてしまったことが最大の原因だ。元慰安婦の傷を癒やすために日本政府が出した資金で設けた財団も解散させた。

 歴史の加害側である日本でも、当時の安倍首相が謙虚な態度を見せないことなどが韓国側を硬化させる一因となった》(1月9日付朝日新聞社説)

 慰安婦問題を大問題にまで仕立て上げた新聞が言うことではないと思うのだが、そんなことはどこ吹く風。日本を貶(おとし)めるためなら口から出任せも当たり前。それが工作機関朝日新聞の姿である。

 他紙も韓国の情報戦にしてやられている。

《外務省が「国際法的にも常識的にも、あり得ない判決だ」と息巻くほど、日韓の見解に隔たりがあるとは受け取れない。

 日本政府は、請求権放棄の条項は「外交保護権の放棄に過ぎず、個人の請求権は消滅しない」との立場を長く維持してきたからだ。最高裁も、個人の権利は失われていないと判示している》(1月9日付信濃毎日新聞社説)

 このこと自体は間違ってはいないのだけれども、その意味は、1965年の日韓請求権協定にあるように、個人的請求は日本ではなく韓国政府が請け負うということである。が、そうならこの問題は韓国に属するということになるのだから、日本政府や最高裁が個人の請求権は消滅していないなどと言うのはおかしい。

《そもそも歴史認識から目をそらして国際法の問題にすり替えた上、韓国だけを責めたところで解決が見込めるはずもない》(同)

 ここで言う<歴史認識>とは、日本が朝鮮を植民地化して搾取したというものであろう。

《日本統治下で朝鮮半島出身の多くの元慰安婦の女性が味わった苦痛に日本人が関心を向けるべきなのは言うまでもない》(1月8日付日本経済新聞社説)

 が、事実はむしろ逆である。日本は朝鮮併合時代、莫大な投資を行って、インフラを整備し、農業生産を高め、教育を充実させ、結果として人口を倍加させた。朝鮮側の偽情報を真に受け続ける日本人は「情報戦」の敗者でしかない。

《激化する米中対立のはざまにあって、日韓は互いに最も協力を必要としている》(同、信毎社説)

《厳しさを増す安全保障環境や新型コロナウイルス収束後の経済復興を考えれば、日韓が協力することは互いの国益につながる》(1月9日付毎日新聞社説)

 が、国際的な取り決めを守ることが出来ない野蛮国とどうして協力できると思うのか摩訶不思議というより他はない。【了】